HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8 ED PLM AW
K-3IIIと同年に発売されたF2.8通しの大口径望遠ズーム。
広角〜標準域では唯一PLMモーターを採用しており、高速静粛なAFを実現している。
旧型より大型化した分高画質化が徹底されており、APS-Cフラッグシップの大三元にふさわしい製品。
| 長所 | 短所 |
| 高速・高精度・静粛なAF F2.8通しの明るさと綺麗なボケ 高い解像力・少ない色収差 防塵防滴仕様 動画撮影向き | APS-C用としては大きく重い |
| おすすめの用途 天体 / 風景 / イベント / スポーツ / 動物 / ポートレート | |
2024年夏に約2ヶ月レンタルで試用。
翌年ようやく購入。再評価と検証を重ねていきたい。
画質
解像性能
数あるKマウントズームレンズの中でもトップクラス。
上位の単焦点にも劣らない実力。
開放かつ遠景でも周辺部までほどよく良好な解像感で、流石に周辺は中央よりも柔らかくなるが、基本的に被写界深度が足りていれば絞る必要がないのではとさえ感じるレベル。ピーク性能はF5.6付近で、F8程度まで絞ることで四隅まで均一な解像性能を発揮する。おおむねF16以上で回折ボケが発生するが、F16より開放側はすべて実用に足る解像感。
結像性能の高さが要求される天体撮影用のレンズとしても優秀。開放F2.8では四隅の像がわずかに周辺へと流れるが、広角レンズとしては十分な描写。1段絞るとほぼ完全な点像となり、そこからさらに絞る必要性は薄い。単焦点ほど明るくはないものの、星景から特定の星座をクローズアップするような撮影までオールマイティに対応できるのが強み。
色収差
色収差も高いレベルで補正されている。軸上色収差は全く感じられず、明暗差が極端に激しい部分が四隅にあるときのみ広角側で弱い倍率色収差が見られる。四隅を拡大クロップでもしない限り気になる場面はほとんどない。
その他
逆光性能もおおむね良好。ゴーストが絶対に発生しない訳ではないが、太陽などがフレームインする厳しい条件でもフレア・ゴーストが悪目立ちするようなケースは少ない。HDコーティングのズーム同士で比べるとDFA28-105 ≧ DA16-85 = DA★16-50PLMぐらいの体感(要検証)。smc版の使用経験がないので又聞きにはなるが、新旧比較でもやはり逆光耐性は向上しているらしい。
周辺減光はF2.8でやや目立ち、F4で四隅以外はほぼ解消される。F5.6では全域がほぼ均一な明るさ。歪曲収差は広角側で樽型、望遠側で糸巻き型となる一方、中間域ではさほど目立たない。
ボケ
Kマウント用のF2.8ズームの中ではなかなか良好な部類。
良好な部類だが完璧ではなく、被写体によっては玉ボケの輪郭が浮いて見えたり二線ボケを生じさせることがある。解像力を重視したレンズではしばしば見られる傾向。
本製品より古いKマウントAPS-C用F2.8標準ズームは10年以上時代が離れていることもあり「柔らかめだが解像も甘い」「ややシャープだが明らかにボケが硬い」いずれかの傾向が見られる。DA★16-50PLMはそれらの時代からはっきり一皮向けた性能に仕上がっており、バランスが良好。
被写界深度はフルサイズの24-70mm F4相当だが、変な色づきや癖は少なく近接撮影にも向いているので、ボケ表現が得意なレンズと言って差し支えないだろう。
機能
AF性能
PLMモーターは55-300PLMでの実績があるステッピングモーターの一種で、本製品で2本目の採用となった。実に5年ぶりのPLM採用レンズ。
モーターの特性上DC駆動タイプのようなフィードバック制御を必要とせず、バックラッシュも無い。要するに測距センサーが割り出したピント位置で一発で停まることができ、細かな追従も容易となる(らしい)。
公式サイトではsmc版と比較して1.5(望遠端)〜2.2倍(広角端)の高速化が謳われている。単に速くなるだけではなくAF精度も向上したため、動体撮影時は頼りになる。動作スピードそのものより、AFの追い込み時間が無いことによるストレスの無さがメリットかもしれない。
ただし上記の「性能向上」は従来のPENTAX製品を基準とした場合の評価で、同世代他社レンズと比較するならおそらく並〜やや良い程度の速さ。百発百中で瞳にフォーカスするような安定感を求めるなら、やはり現行ミラーレス機に分がある。なお、レンズに方ボケなどが発生しているとオートエリアAFは精度が怪しくなるので要点検。入手した個体(中古美品)にその傾向が見られたため修理に出したところ、AFの使い勝手が見違えて向上したためAF項目は上方修正した。
ステッピングモーターは一般的に超音波モーターより耐久性も上とされており、AF故障例が多く報告されていたSDM版に比べて信頼性も大きく改善されたと言える。
距離表示窓とインナーフォーカスの廃止(?)
旧版と比較した際の微妙なマイナス点として、距離表示窓の廃止が挙げられる。
必要とする人にとっては惜しいポイントかもしれないが、電子化の進んだ昨今のレンズでは採用されている方が珍しい気も。このレンズはAF性能が売りなので、AFに連動させる機構を減らしたのは正しいように思う。
後者のインナーフォーカス廃止(?)についてはちょっと真偽不明。
えっ、インナーフォーカスじゃないかこれ?
確かにレンズ名にも公式サイトにもインナーフォーカスの表記はないし、海外レビューを含むいくつかのサイトで「DA★16-50mmの新型はインナーフォーカスではなくAF時はわずかに鏡筒が伸び縮みする」と書かれているものの、現物をみる限りピント位置によって鏡筒の長さは0.1mmすら変化していないように見える。もっと細かい精度で測るとわずかに全長が変化しているのか、それらのサイトがインナーフォーカスとインナーズームの語を間違えていたのか。
肉眼で見る限りほぼインナーフォーカスにしか見えず、使用感もインナーフォーカスを採用したレンズと相違はない。とりあえずその点は気にしなくてOKということにしておく。
ズームレンジ
FF換算約24-75mm相当という定番の標準ズームレンジを踏襲。
エントリークラスのズームに多い18mmスタートもパース感が控えめで使い勝手が良いが、トレンドではない。雄大な風景を1カットに収めたり、狭い室内で多くの被写体を捉えたりするのに16mmスタートは非常に便利。
多少のクロップにも十分耐える解像感で、ボケの色づきやパープルフリンジといった目立つ粗もないのでFF換算100mm(K-3IIIの1.3倍クロップ)ぐらいの感覚で扱うこともできる。シーンによって足で引いたり寄ったりする必要はあるが、風景からポートレートまでこのレンズ1本でほとんど何でもこなすことができる。
KAF4マウント
ピントリングや絞りは完全に電子化されている。
電子化されたレンズはKAF4マウントとなるため、K-3やK-50よりも古い機種では絞りが動作しない点には注意が必要。
DA18-50RE、DA55-300PLMに続く3本目のバイワイヤ式フォーカスリングを備えたレンズで、そのいずれよりもMFの操作性は優秀。電源が入っていないとフォーカス操作ができず距離表示窓もないなど多少のデメリットはあるものの、適度な重みのあるフォーカスリングを少ない力で回し、止めたい場所で止めることができる。ギアの噛み合わせがないPLMモーターだけあって遊びもなく、非常に良い操作感。
サイズ
最大のデメリットはやはり携帯性。
APS-C機の「気軽に持ち出せるカメラ」という認識には反するサイズ感で、3倍ズームが750g(フード込み)となるとハードルはやや高い。フルサイズ用の24-70mm(フード込み812g)より辛うじて軽量だが、全長は追い越している。
ただし後述するF2.8通しの標準ズームレンズ群で比較すると殊更重量級という訳でもなく、サードパーティを除いたAPS-C一眼レフ用という括りでみると「Nikon > PENTAX新 > Canon > PENTAX旧」の順で重く、やはりPENTAXのボディの小ささがDA★16-50PLMの大きさを際立たせている印象がある。
自転車の100kmライドでたすき掛け使用してもおおむね問題ないレベルだったので、個人的にはギリギリ重量級ではないレンズという感覚。全長も手伝ってややフロントヘビーではある。
最大径はsmc版と変わらずフィルター径も共通の77mm。
DA★大三元を揃えるなら77-82mmのステップアップリングがあると経費を節約できる。
動画撮影
PLMモーター搭載レンズなので動画撮影中のAF-Cが使用可能。
AF-C対応や静粛性に関しては55-300PLMと同様だが、広角〜中望遠の扱いやすいズームレンジなのでPENTAXではDA★16-50PLMがもっとも動画撮影向きのレンズと言える。
同時期に発売されたK-3 Mark IIIはAFの追従性能が高いレンズを必要としていたのに加え、同機種で動画機能がアップデートされたこともDA★16-50がリニューアルされた理由のひとつだったのだろう。
その他使い勝手
AF・MF切り替えスイッチや防塵防滴といった上位レンズらしい機能も一通り備えている。ズームロックは非搭載だが、ズームリングは固めなので自重で伸びることもない。
最短撮影距離0.28m・最大撮影倍率0.24倍でほぼクォーターマクロ。ファインダーを覗いたときの見た目は0.37倍に相当し、かなり寄れるレンズという印象。最短撮影距離は被写体にフードが触れそうなギリギリの距離。AFも静粛で速いので、花と昆虫を撮るのにも向いている。
まとめ
2025年の確定申告で還付額も確定したのでえいやとポチッた。
初のスターレンズはDFA★50、DFA★85、DA★16-50で随分迷ったけど汎用性の高さが優先され、K-3IIIを完成体にしたい欲に従うことになった。所有済みのSIGMA35ArtがK-3IIIで標準単も兼ねられるし、DFA★中望遠は1.2〜1.3kgあり流石に常用向きではなさそうということで。
非常にハイレベルな性能でまとまったレンズで、重箱の隅をつつこうにもあまりつつく場所が思いつかない。Kマウント用のAPS-C大口径標準ズームは中古を含め色々と選択肢はあるが、サイズ度外視ならこのレンズが間違いない選択肢と言える。現代的なAFの恩恵もかなり大きく、顔や瞳を認識するK-3IIIと組み合わせればオート任せで撮ってもなかなか良い打率になるだろう。
一眼レフの中でコンパクトなPENTAXのAPS-Cボディと組み合わせる標準レンズとしてはなかなかギリギリのサイズ感なのは確かだが、飛躍的な画質向上と機能の刷新を加えつつハイエンド機材として納得のいくバランスにまとめた開発関係者に感服。
個体差や使い込んだうえでの再評価を追記していきたい。
備考
保証修理(2025年7月)
同年3月に某店の中古で購入したDA★16-50PLMだったが、美品だった割に使い込む中で気になる点があったので点検に出した。内容は以下の通り。
①解像性能にムラがありリング状の変な片ボケが発生する(望遠端かつ遠景で顕著)
②結像のムラによる影響か中央以外の測距点でAF精度が怪しい(おおむね超前ピン傾向)
③接点が他のレンズより途切れやすい
AF性能に関しては「あれ?こんなもんだっけ」と気になりつつ保留していたけど、片ボケの確認で内部機構の不良だという確信に至った。接点切れも、DA★16-50PLMは一瞬でも接点が途切れるとピント位置が勝手にリセットされるので地味に困る問題だった。「片ボケによるピント精度不良、AF作動不良、マウント部通信不良の為、レンズ機構部品交換」との診断で、フォーカスリング周りの部品(金帯)も入れ替わりシリアル番号が変わるなどした。
ひとまずテスト撮影では問題なく撮れて満足。
新品にしても中古にしてもこの価格帯のレンズはやはり保証付きで買うのが吉。
HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW の使用
16-50mm単体のFF換算焦点距離は約24-76mm相当。
テレコンを使用するとF4通しの約34-107mm相当でフィルム時代の標準ズームのようなスペックに。被写界深度はフルサイズで言うとおよそF5.6相当になるので、フルサイズ機+DFA28-105やDFA24-70(クロップ込み107mm相当)の方が表現の幅は広いかもしれない。
しかし被写体に0.3mまで寄れる点、PLMのAF性能を発揮できるのが利点。加えて距離の離れた被写体をAF-Cで追従するなら、少しでも大きく写した方が良いかもしれない。
DA55-300PLMのAFと比べて
体感でも実測でも、わずかに55-300の方が速い模様。
また、望遠レンズのDA55-300PLMは被写体をファインダーに大きく捉えてピント位置を検出できるので測距点さえ外さなければ大概ジャストな位置でピントが合う。しかしDA★16-50PLMの場合、広角かつ遠景でなんとなくピントを合わせる場合もあるので一眼レフの位相差AFの検出精度に左右されるところが大きい。このレンズに限ったことではないが、AFモジュールが最新のK-3IIIでも暗かったりコントラストが低かったりする位置にピントを合わせようとすると外してしまうことがある。DA55-300PLMの方が外しにくいというより、DA★16-50PLMは使用シチュエーション由来でAFを外しやすくなりがちと言った方が正しいかもしれない。
新世代DA★シリーズの3本目は?
2007〜2009年頃に発売されたのが初代デジタル用(当時デジタル用とはAPS-C用を指していた)スターレンズシリーズ。しばらく間をおいて2016年、フルサイズ機の発売に合わせる形で「新世代DFA★レンズ」が打ち出された。DA★シリーズもより現代的なスペックで2019年にHD DA★11-18、2021年にHD DA★16-50が登場した。
フラッグシップ × 大三元という体裁をフルサイズに合わせるなら望遠枠にあたるDA★50-135もリニューアルが望ましいが、ペース的に2023年に発表されるかと思いきやsmc版が生産完了でフェードアウトしたまま音沙汰がない。システムをF2.8通しで通そうとするとFF換算77mm止まりという微妙な状況になっている。(焦点距離の穴はあくが、フルサイズ用のDFA★70-200という選択肢はある)
開発費の問題が第一に挙げられるが、加えて現代的なスペックの期待に応えようとするとDA★16-50のように大型化せざるを得ず、DFA★70-200との棲み分けが難しくなるという理由もひょっとしたらあるのかもしれない。とはいえステッピングモーターやリニアモーターを採用した高速AFの明るい望遠レンズという選択肢が加わるならそれに越したことはないのだが。
開発の噂はあるのでゆるく期待しつつ気長に待つほかない。
(個人的に一番出てほしいのはAFが速い超望遠系だけど)
HD DA★16-50は重い?
smc版と比較すると明らかに大型化したDA★16-50だが、他社の大口径ズームとの比較だとどうか。
APS-C用のF2.8通しレンズ自体作らないメーカーもあるので、基本はフルサイズとの比較になる。下段にミラーレス用のレンズも掲載。複数マウントに提供しているメーカーの製品は、SIGMAのArtラインを除き参考枠とした。
| HD PENTAX-DA★16-50/2.8 ED PLM AW | APS-C | φ84mm × 117mm | 712g |
| AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55/2.8G IF-ED | APS-C | φ85.5mm × 110.5mm | 755g |
| SIGMA 17-50/2.8 EX DC HSM | APS-C | φ83.5mm × 91.8mm | 565g |
| TAMRON SP 17-50/2.8 XR Di LD ASP[IF] | APS-C | φ73.8mm × 83.2mm | 440g |
| HD PENTAX-D FA 24-70/2.8 ED SDM (※) | FF | φ88.5mm × 109.5mm | 787g |
| AF-S Nikkor 24-70/2.8 E ED VR | FF | φ88mm ×154.5mm | 1070g |
| Canon EF 24-70mm F2.8 L II USM | FF | φ88.5mm ×113mm | 805g |
| SONY Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM II | FF | φ83mm ×111mm | 974g |
| SIGMA 24-70/2.8 DG IS HSM Art | FF | φ88mm × 107.6mm | 1020g |
| TAMRON SP 24-70/2.8 Di VC USD G2 | FF | φ88.4mm × 108.5mm | 900g |
| FUJIFILM XF16-55/2.8 | APS-C | φ83.3mm ×106mm | 655g |
| SIGMA 18-50/2.8 DC DN Contemporary | APS-C | φ65.4mm × 74.5mm | 290g |
| TAMRON 17-70/2.8 Di III-A VC RXD | APS-C | φ74.6mm × 119.3mm | 525g |
| NIKKOR Z 24-70/2.8 S | FF | φ89mm × 126mm | 805g |
| SONY FE 24-70/2.8 GM II | FF | φ87.8mm × 119.9mm | 695g |
| NIKKOR Z 24-70/2.8 S | FF | φ89mm × 126mm | 805g |
| Canon RF 24-70/2.8 L IS USM | FF | φ88.5mm × 125.7mm | 900g |
| LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 | FF | φ90.9mm × 140mm | 935g |
| SIGMA 24-70/2.8 DG DN II Art | FF | φ87.8mm × 122.2mm | 735g |
| TAMRON 28-75/2.8 Di III VXD G2 | FF | φ75.8mm × 117.6mm | 540g |
ミラーレス用では700g切り、一眼レフ用では800g前後が最軽量級のラインとなっていることが分かる。PENTAXユーザー目線だとDFA24-70が比較的コンパクトなタムロンOEMなので忘れがちだが、画質を追求した大三元標準ズームは1kg前後となることもザラ。HD DA★16-50の700g台前半というスペックはそこまで重い方ではなかったりする。最も比較対象として妥当な製品に、発売年は2004年とやや古いもののNikonのAPS-C用F2.8通し標準ズームの17-55がある。こちらはサイズ感ではHD DA★16-50とほぼ同等だが重量は6%重い。HD DA★16-50は中堅ズームに比べると重いが、旧型より性能アップしつつ重量増も最小限に留めた妥当なバランスに収まっていると言える。
もちろんAPS-Cで16-50/2.8の被写界深度はフルサイズに換算すると24-70mm F4相当となるので、それならもっと軽量 (ex. Canon EF 24-70mm F4 L IS USM = 600g) か高倍率 ( ex. AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR = 710g)であって欲しいという気持ちもなくはない。
ただしF4通しと違って1段分のシャッタースピードを稼ぐことが可能、風景スナップでは手ブレの心配をせず被写界深度を稼げるといったAPS-C F2.8通しの利点もある。
個人的には長さだけもう少し押さえて欲しかったが、性能を鑑みれば重さは許容範囲。
比較
smc PENTAX-DA★16-50mm F2.8 ED AL[IF]SDM
未使用なので光学性能については割愛気味に。
2007年に初めて発売されたDA★レンズだったが、初代ということもあり光学性能、方ボケ、AF耐久性など様々な癖や困難を抱えていた。HD DA★16-50でAF性能が大幅に改善されたのは快挙。
HD版は小型軽量が売りだったsmc版に比べて重量が147g、全長が18.5mm増えている。★シリーズなので多少の重量増は大目に見るべきだが、大きい機材は出番が限られるのも確か。最大径はおそらくフード基準でsmc版、HD版ともに変化がなく、嵩張り具合は案外変わらない気もする。
HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR
超広角スタート5.3倍のズームレンジ、内蔵DCモーター、防滴を備える万能レンズ。
APS-C小三元に相当し、DA★16-50のPLMの実質的な対抗馬となる。
16-85はAFが高速であると評されることも多いが「PENTAXとしては」という注釈が必要になる。比較的静かなので体感的には速く感じるが、K-3IIIとボディAFレンズの組み合わせと比較してみると案外変わらないスピードだったりする。DCモーターは細かなピント追従をそれほど得意としないので、立体的に動く被写体をAF-Cで追うような場面では追いきれないこともある。逆に16-85がPLM化されたら日中屋外で無双できる常用レンズとなるだろう。
どちらも優れた解像性能や逆光耐性を持つが、解像力のピーク性能、色収差の少なさ、開放からの安定感などDA★16-50PLMの方が1.5段階優れた画質。比較的最近のPENTAX標準ズームを画質で並べると、個人的にはこんなイメージ。
DA18-55 ≦ HD DA18-50 ≦ DA18-135 < DA16-85 < DA★16-50PLM
16-85はAPS-Cの機動性も損なわないそこそこの軽量さとコンパクトさが強みで、一番美味しいズーム域をカバーしつつ価格も安価。DA★16-50は重厚長大で高価だが動体撮影向きのAF速度、シャッタースピード、天体撮影など譲れないポイントがある人にとっては唯一無二の選択肢となる。
HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR
用途的に、広角から望遠まで使い分けるズームレンズというよりは20〜40mmの小型単焦点を束ねたような使い勝手。AFはDCモーター内蔵でそれなりに静かだがあまり速くはなく、明るさや近接性能もそこそこでスペック的には分かりやすく突出した部分がない。
逆にボケの癖や解像不足が感じられる事はなく一通りの機能性も備えており、標準ズームとしては軽量コンパクト。ショートズームの画角をうまく使いこなせば常用レンズとしてのポテンシャルは高い。
メカメカしいデザインは所有感の側面でかなりプラス。机に置いておくと意味もなく持ち出したくなったりするし、そういう魅力もまた道具の性能のひとつ。スターレンズとは色々思想が異なるLimitedらしさが詰まったレンズ。
AFがそれなりに速い超音波モーター搭載の大口径ズーム。
全長91.8mmで重量はsmc DA★16-50と同等の565g。
HSMが微妙に迷うことがあるほか、やや固いボケと時折派手に出現するゴーストが玉に瑕。基本的な解像性能は優れており中古価格もお手頃。F2.8の明るさが重要な場合は十分アリ。
SIGMA 18-35mm F1.8 DC Art HSM
未使用なので参考枠。
APS-C用の大口径ズーム、それもフルサイズにも劣らないボケを生み出す前人未到のF1.8通し。スペックだけ比較するとほぼ同等のサイズと重量で、最短撮影距離や最大撮影倍率といった使い勝手もよく似ている。
広角端16mmの3倍ズームという利便性をとってHD DA★16-50を取るか、ショートズームで防滴非対応でもF1.8のボケとシャッタースピードが手に入るSIGMA18-35DCを取るかの選択になる。また、KAF4マウントに対応していない古めのボディを使っている場合はシグマが最高グレードの標準ズームと言って問題なさげ。
HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED DC WR
HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR
なぜか比べてみるフルサイズ標準ズーム(フルサイズ/APS-Cを両方持っている想定で)。
単純にポートレートぐらいの撮影距離におけるボケ量の大きさでレンズを選ぶなら、DFA24-70が最も有利でHD DA★16-50とDFA28-105が横並びとなる。
ただしDFAズームの2本は歪曲や周辺減光のカメラ補正を想定しているような光学設計だったりする他、開放の周辺像の安定感なども込みでスターレンズの方が一枚か二枚上手。加えて、HD DA★16-50はPLMの高速AFや0.3mの最短撮影距離、本格的な防塵防滴といった武器を揃えている。
風景撮影やまったり撮るポートレートがメインならDFAズームもかなり優秀。動体撮影やAF-Cが絡む幅広い撮影用途で安定感のある撮影がしたければHD DA★16-50が最も満足のいく結果となる。
50mm単焦点と解像力で比べてみて
HD PENTAX-D FA★50mm F1.4、smc PENTAX-DA 50mm F1.8とざっくり比べてみて。ボケ量に関しては単焦点の方が大きいのはもちろん、ボケ味もより自然な傾向。ただしDA★16-50PLMは色収差が少ないせいかボケの色づきはほぼ見られない。遠景の解像力に関して比べてみると以下の通り。
開放(F1.4〜2.8)の解像性能:DA★16-50PLM > DFA★50 > DA50
F2.8の解像性能(中心):DFA★50 > DA50 > DA★16-50PLM
F2.8の解像性能(周辺):DFA★50 > DA★16-50PLM ≧ DA50
Kマウント用標準ズームスペック比較(F4通し以上の明るさ、約2〜5倍ズーム)
| 発売年 | 質量 | 最大径 長さ | 駆動 方式 | 倍率 | 構成 枚数 | 絞り 羽根 | 最短距離 最大倍率 | 防塵 防滴 | |
| HD DA★16-50mm F2.8 | 2021 | 712g (750g) | φ84mm 117mm | PLM | 3.1倍 | 10群 16枚 | 円形 9枚 | 0.3m 0.24倍 | ◯ |
| smc DA★16-50mm F2.8 | 2007 | 565g ( - ) | φ84mm 98.5mm | SDM | 3.1倍 | 12群 15枚 | 9枚 | 0.3m 0.21倍 | ◯ |
| HD DA 16-85mm F3.5-5.6 | 2014 | 488g ( - ) | φ78mm 94mm | DC | 5.3倍 | 12群 16枚 | 円形 7枚 | 0.35m 0.26倍 | △ |
| HD DA 20-40mm F2.8-4 | 2013 | 283g ( - ) | φ71mm 68.5mm | DC | 2倍 | 8群 9枚 | 円形 9枚 | 0.28m 0.2倍 | △ |
| SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM Art | 2013 | 810g ( - ) | φ78mm 121.1mm | HSM | 1.9倍 | 12群 17枚 | 円形 9枚 | 0.28m 0.23倍 | - |
| SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC HSM Contemporary | 2013 | 465g ( - ) | φ79mm 82mm | HSM | 4.1倍 | 14群 16枚 | 円形 7枚 | 0.22m 0.36倍 | - |
| SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM | 2010 | 565g ( - ) | φ83.5mm 91.8mm | HSM | 2.9倍 | 13群 17枚 | 円形 7枚 | 0.28m 0.2倍 | - |
| smc DA 17-70mm F4 | 2008 | 485g ( - ) | φ75mm 93.5mm | SDM | 4.1倍 | 12群 17枚 | 7枚 | 0.28m 0.31倍 | - |
| TAMRON 17-50mm F2.8 | 2006 | 430g ( - ) | φ73.8mm 83.2mm | ボディ AF | 2.9倍 | 13群 16枚 | 7枚 | 0.27m 0.22倍 | - |
| smc DA 16-45mm F4 | 2003 | 365g ( - ) | φ72mm 92mm | ボディ AF | 2.8倍 | 10群 13枚 | 8枚 | 0.28m 0.26倍 | - |
作例
カスタムイメージ:雅(MIYABI)
ホワイトバランス:CTE
Lightroom現像(レンズ補正なし)








