SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM
使いやすい焦点距離をF2.8通しでカバーしたサードパーティ製の標準ズーム。
PENTAX用のシグマレンズでしばしば省かれる超音波モーターを搭載している。
基本的な仕事をきちんとこなす常用向きのレンズ。
| 長所 | 短所 |
| 使い勝手のいいズームレンジ F2.8通しの明るさ 静粛で高速な超音波モーター | ボケが硬め ゴーストが出やすい |
画質
開放は若干柔らかいが基本的にシャープな写り。
周辺部〜四隅まで意識するならF8〜F11まで絞りたい。
単焦点や重量級ズームほどではないものの、入門クラスのズームレンズと比べて一皮むけた描写力を見せる。
一方でボケ味はやや硬めで、玉ボケの輪郭に明るいエッジが出やすい。
F2.8通しならではの被写体が浮き上がってくるような性能を期待すると惜しさが残るだろう。
エントリークラスのレンズのボケよりは大人しめで、サイズとF値を考慮するとよく纏まっている。
また、これは描写性能だけを見た評価となる。単純に暗所でシャッタースピードを稼げるメリットは大きい。
逆光にはあまり強くはない。強い光源を入れると派手なゴーストが出現することが多い。
脱キットレンズ的な立ち位置としては癖も抱えており万能ではないが、Kマウントでサイズ・重量を抑えつつ高速AFとF2.8通しの明るさを備えているAPS-C標準ズームというポジションは貴重といえる。
機能
キットレンズに多い18mmより僅かに広い17mmスタート。広角域では地味に無視できない差。ズーム端はつい使いがちになるので、16mmほどパースがきつくない広角は人によってはむしろ好ましいかもしれない。
以前はDA★16-50SDMにAF故障問題が多かったのでサードパーティーを選ぶメリットが大きかった。現在のHD版はsmc版の欠点が大幅に改善されたので、予算があるなら純正を選びたいところ。ただし、純正の新型はAPS-C用としては重厚長大なシステムとなってしまった。Σ17-50はキットレンズより一回り大きい程度のサイズ感で、取回しの面で有利。
最大撮影倍率は0.2倍と可もなく不可もなく。
マクロ性能が高い訳ではないが、寄れなくて困るような場面も無い。
HSMだけあってAF速度は快適。同じ超音波モーターでも純正の古いSDMモーターとは明確に異なる。サードパーティだからか精度はたまに怪しく、合焦していない状態でAFが完了してしまうことがある(ボディ側の精度の問題かもしれないが)。フルタイムマニュアル対応ではないのが惜しいところ。
まとめ
Kマウント対応のSIGMA製品としては後発ながら2012年製で新しい製品ではないが、現代でも十分な性能を持つ大口径標準ズーム。PENTAXユーザー的には昔の超音波モーターと聞くと身構える人もいるが、旧SDMがこのトルクと速さだったら……とうっすら思うぐらいには快適なAF性能。
分かりやすい短所はゴーストが出ると目立ちやすい点とボケの固さ。ボケ味はArtシリーズやスターレンズ級の表現力を期待しなければ悪目立ちするほどでもなく、中古品も安価なので選択肢として結構アリ。
身内の結婚式(神前式)撮影で、「かなり暗い室内、派手なAF音は禁物」という条件で機材を選ぶ機会があった。使い慣れた中ではこのレンズが適任で、これといったミスもなく無事に撮り終えることができた。
備考
2024年5月キタムラで売却。夏を前に防湿庫が手狭になったため。
光学系に異常はないとのことだったが外観の使用感が蓄積されていたのでB評価。
比較
HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR
F値変動ズームだが、サイズ感が近い超広角スタートの標準レンズとして。
どちらも広角端かつ開放の画質が最も厳しい条件となり、周辺部などに収差が見られる。
収差が大人しいのはDA16-85の方で、ディティールもきめ細やかな描写を見せる。
純正でボディ側の補正が使えるほかHDコーティング、ズーム倍率、防滴仕様、QFSも有利な点。
一方Σ17-50はF2.8通しで望遠端まで明るく、シャッタースピードも稼ぎやすい。
AF性能はHSMの方がやや早い気もするが、精度はDA16-85のほうがやや上かも。イーブン。
Σ17-50の方が被写界深度は浅くなるが、ボケ感はDA16-85の方がやや自然な描写。
近接撮影をする場合、広角端ではΣ17-50の方が少し寄れる。
しかし望遠端が50mmなので、最大撮影倍率だけで言えばDA16-85の望遠端の方が大きく写せる。
総合的な安定感で選ぶならDA16-85、明るさを優先するならΣ17-50となる。
明るさだけでなく高性能な標準ズームが必要な人はHD DA★16-50へ。










