smc DA★300mm F4 ED[IF]SDM Trial
レンタルで1ヶ月のみの試用。
PENTAXでもトップクラスの解像性能とこのクラスとしてはコンパクトさを両立した単焦点。
テレコンありでも劣化が少ないので420mm F5.6としての運用も可能。
画質
文句なしの解像力。スターレンズらしい素晴らしい切れ味。
300mmの画角でシャープな写りを求めるならこのレンズが最適解。クロップ耐性が高く、小型望遠ズームの画質に見慣れていると焦点距離が伸びたかのように感じられる。
テレコンを使用するとシャープネスが若干鈍るほか倍率色収差が僅かに生じる。拡大すれば分かるものの、パッと見の印象はマスターレンズとほとんど遜色がない。テレコンを装着してもF値が5.6に留まりAFへの影響が少ない超望遠レンズはこのサンヨンが実質唯一の選択肢となっている。マスター単体F4の明るさのおかげで飛びもの野鳥写真など1/2000sを超えるシャッタースピードが求められる環境でもISO感度を抑えることができ、やはり画質に貢献している。
色収差もよく補正されており、絞り開放を心置きなく使える。中央の性能はF5.6辺りがピークだが、感度やシャッタースピードを優先するならF4で問題ない。
ボケの表現も優秀で、木立の野鳥を撮影するようなケースでも背景がざわつくことは少ない。
玉ボケも、特にAPS-Cサイズでは整った描写。
機能
画質に関しては不満がないが、望遠レンズとしては課題を抱えるレンズでもある。
概ね旧式のSDMモーターに起因するもので、バッサリ言えば動体追従がやや苦手。ボディ内モーターに比べてスッと合焦するにはするが、PENTAXのレンズの中で特別速い方ではない。細かく素早いピント合わせが要求される用途の場合は無視できないポイントとなる。もちろん風景用の望遠単焦点としては申し分ない性能。
SDMの特性として、やはり新品状態から使用にともない性能が劣化する傾向にあるらしい。中古やレンタル品だと本来の性能でない可能性は高い。
AF性能の難点を述べたが筆者は野鳥用に普通に使っていた。気合。枝葉を飛び交う小鳥を追い続けるのは得意ではないが、まっすぐ飛ぶサギなどに合わせるのは別段難しくない。K-1IIやKPのAF性能でも止まりものはそこそこいけるので、K-3IIIなら動体相手でも善戦できそう。ファームウェア更新でフォーカスリミッターを組み込めると有り難いなと感じる。
幅広いフォーカスリングでリングはAF中に回転しないため持ち心地、操作感は良好。インナーフォーカスかつ防塵防滴なので対環境性能の信頼度も高い。
レンズ質量は1,070g。回折素子による小型化を達成した新しめの他社超望遠だとさらに軽量なサンヨンもあるが、本製品も超望遠単焦点の中では最軽量クラス。軽すぎてもミラーショックに負けそうな感じがするので、やはり1kg前後はあった方がいいのかもしれない。
まとめ
AFに関して評価が分かれがちなDA★超望遠レンズだが、言われているほどしんどいかと言われると十分実用レベルで何より画質が素晴らしい。風景や動きの激しくない被写体相手であればおそらく不満はないだろう。
55-300がPLM化された時のようなAFの改良が加わればAPS-Cでの野鳥撮影用として最強のレンズに生まれ変わりそう。欲を言えば、HD化等で画質がさらに向上したならテレコンのメリットも増えて420/5.6(FF換算640mm相当)運用が捗るだろう。超望遠の新製品は2016年以降出てない……?でもまあ言うだけタダなので。
遠くの被写体をきめ細かくセンサーに写し出す、望遠レンズに欲しい性能が見事に達成されている製品。
備考
HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW の使用
他社と比較して対応レンズが多いコンバージョンレンズ。
装着すると420mm F5.6(35mm判換算で640mm相当)の望遠単焦点として運用できる。
マスターレンズの収差を増大させるような特性を持つが、DA★300とは相性が良い。
周辺込みの画質はマスターレンズに劣るものの、中央の解像性能はトリミングより優れている。(画素数にもよる)
本来の用途的にHD DAテレコンはDA★300、DFA150-450、DA560用と言っていいかもしれない。
FFで使用できなくなるなど欠点もあるが、開放F5.6が使えるサンヨンとの併用はオススメ。
比較
SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM
10倍ズームと単焦点の差を如実に感じることができる画質の違い。
Σ50-500の望遠端は眠い描写で、DA★300のクロップ(またはテレコン)の方が好ましい。
ただしΣ50-500の本領は標準から超望遠までをフルサイズでカバーできる利便性。
運動会のように定点から様々な画角を要求される状況では無類の使い勝手を誇る。
AF的にはシグマの方がやや速いが、多少迷いやすい気もする。
重量差も倍なので長時間の手持ちは厳しい。
HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AW
450mmの画角をフルサイズで心置きなく使える点はDA★300にない要素。
テレコンつきでも画質がさほど劣化せず、開放F8とはいえAPS-Cで960mm相当の望遠を運用できる。
キレの良さとしてはDA★300の方がより鋭い描写。
DFA150-450の重量は気軽な散策向きではないので、DA★300+テレコンの選択肢はアリ。
DFA150-450は手持ち撮影で長時間構えるのは辛い重さなので、その点が大きい。
状態の良いDA★300とDFA150-450ではAF速度の差はそれほど無い。
状況によって役立つフォーカスリミッターやモーターが消耗しない点ではDFA150-450が有利。
HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE
構図の自由度・携帯性・AF性能・画質のバランスが高く、しかも安いので暗さしか欠点らしい欠点がない。
DA55-300PLMでも十分事足りるが、トリミング耐性やボケまで踏まえるとDA★300の描写力は捨てがたい。
DA★300は1段以上明るいので、動体が多い望遠レンズでは高速シャッターと低感度を両立しやすい点も重要。
携帯性 & 歩留まりを取るか、射程 & クリティカルヒットを取るかは人それぞれ。











