SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM
標準から超望遠までレンズ1本でカバーできるロマンバズーカ。
ズーム倍率に反比例した画質という現実を打ち砕くのはボディ込み3kgの鈍器。
便利ズームが便利かどうかは心が決める。
| 長所 | 短所 |
| シグマならではの10倍超望遠ズーム レンズ内手ブレ補正 静粛高速な超音波モーター | 重い 望遠端の画質が低い 改良前のマウントはK-1/K-1IIだと傷がつく |
| おすすめの用途 イベント / スポーツ / 風景 / 飛行機 / 野鳥 | |
画質
見た目も重量も巨砲だが、高倍率だけあって画質には様々な影響がある。400mmまで伸びる標準〜超望遠ズームだと思えば素晴らしいバランスだが、400〜500mmの超望遠レンズとしての運用がメインだと画質には多少の妥協が必要となる。
良く言えば10倍ズームの割にかなりよく補正されていて、小型の高倍率ズームに比べると品質は高い。広角側から400mmにかけてはサイズに見合った描写力を見せる。
一方で望遠端に近づくにつれシャープネスもコントラストも低下していき、特に開放ではソフトな写りになる。中央部の解像力は1段絞ることで大きく改善されるが、おおむねAPS-C相当のイメージサークルより外の範囲は2段絞ったとしても甘さが残る。
絞っても周辺部が甘く感じられる原因の何割かは倍率色収差によるもので、RAWに補正をかけると解像感は幾分改善される。ボディ内補正が効かないので、JPEG撮影ではやはり甘くなりやすい。
被写体が画面中央に置かれる条件であればそれほど悩むことはないが、野鳥のように動きが激しくシャッタースピードも求められる条件だと歩留まり的に苦戦を強いられることもしばしば。
APOを謳うだけあり軸上色収差はよく抑制されている。周辺減光は望遠端でやや強い。
短所も述べたが、超望遠10倍ズームというとんでもない設計が無理のない範囲で実現されている。標準から超望遠まで1本で済む利便性は単なる望遠ズームだと達成できない。
表現の幅こそやや狭いものの、画角の幅は類を見ないほど広い。
機能
超望遠をカバーする10倍ズームはSIGMAならではのコンセプト。
被写体のアップと全体像を両方抑えたり、ネイチャーフォトでは動物とフィールドを同時に記録したりと汎用性が高い。一方、鏡筒の太さとズームリングの可動範囲の広さ故にこまめなズームイン・ズームアウトは忙しない作業になる。後継の60-600mm(Kマウント用は未発売)では直進ズームに対応しており、この点が改善されている。
最大撮影倍率は0.32倍でかなり寄れるレンズ。ただし最短撮影距離が一定ではないので、移動するものを至近距離で撮影しようとするとやきもきする。
AFは割と速く静粛なので動体にもある程度対応可能。緻密に被写体にピントを合わせ続ける性能ではPLMに譲るかもしれないが、AFが迷って無限遠に行ったとき割と素早く手前に戻ってくる。この点はDCモーター駆動の超望遠より優れている。精度的にはたまに外れることもあるようなないような。
純正Kマウントレンズに存在しない光学式手ぶれ補正はやはり快適。手ブレ補正性能はPENTAXのボディ内5段5軸補正と概ね同程度だが、フレーミングがしやすくレンズ側で流し撮りモードへの変更も可能。人や用途によってはDFA150-450よりSIGMAの50-500の方が合うかもしれない。
まとめ
いわゆる運動会レンズとも呼ばれるように、イベント撮影など定位置から引きと寄りを往復しなければならない場面で活躍する。屋外であれば暗めのF値もさほどデメリットではない。
今どきであれば広角側はスマホやコンデジの性能が高いので、50-500mmという焦点距離は実用性が高い。
カメラの三角環につけたストラップで肩から下げて折りたたみ自転車に乗ってみたことがあるが、前傾姿勢の強い自転車でなければ案外支障なくサイクリングもできる。機材への負担が重そうなので推奨はしない。
野鳥撮影では望遠端の解像力不足から重量に見合った結果が得られないこともあるが、400mmまでの範囲では欠点もそれほど目立たない。白鷺のように輪郭のコントラストが強い被写体では色収差の少なさが活きてくる。
備考
K-1のマウント上部に傷がつく問題
K-1 / K-1IIに装着するとマウント上部に接触して傷ができるので注意が必要。
他所であまり例を聞かないけどKP & K-1IIで撮影していてレンズ情報がExifに残らない。
何か解決策がないだろうか、ちょっと不便。
売却
DFA150-450との比較検証もできたので、2024年12月に売却。
OS内蔵の高倍率超望遠が優位な場面もあるけど、やはり画質の方が大事。
比較
HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AW
重量2kg前後で最長焦点距離も近い重量級望遠ズーム。
方や10倍、方や3倍のズーム倍率の差は画質の差として如実に現れる。
特に望遠端のコントラストは別格。50-500は周辺減光の影響もありF値以上に暗く感じられる。
綺麗な写真が撮りたくて予算があれば、満足度が高そうなのは間違いなくこちら。中古相場としてはΣ50-500OSの倍程度。価格差分の価値は正直ある。重量サイズ面での扱いにくさは両者似たりよったりだが、DFA150-450はより堅牢な質感。
AF性能は極端な差ではないが、AFが迷って無限遠から復帰するときなどはHSM採用の50-500の方が速い。DFA150-450のDCモーターが「チー、チーーー」という感じだとすると、50-500のHSMは「シューッ、シュコッ」と戻る。また、特にAPS-C機の画角では光学式手ぶれ補正の恩恵が大きい。一方フルサイズで使用する場合だとマウント上部に傷がつくという人によっては致命的なデメリットがあるので、気になる場合は大人しく純正を選んだ方が良い。
・ズーム全域で開放からハイクオリティの描写が必要ならDFA150-450
・レンズ内手ぶれ補正や10倍ズームの利便性が必要で暗くても困らないならΣ50-500OS
といった印象。Σ60-600?知らない子ですね……。
作例
カスタムイメージ:里び















