smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited
フィルム時代から引き継がれた伝統の極薄パンケーキレンズ。
取り回しのよいDA Limitedシリーズの中でも際立った存在だが単焦点らしい写りも両立。
全てのKマウント機をスナップシューターにしてくれる小さき相棒。
| 長所 | 短所 |
| 抜群の携帯性 単焦点らしい画質 アルミ削り出しの金属外装 一応フルサイズ使用可(非公認) | AFの音鳴りが大きめ フォーカスシフトが発生する |
| おすすめの用途 スナップ / 旅行 / 風景 / テーブルフォト / ポートレート | |
画質
一見すると前玉径も鏡筒のサイズもミニマムな外観で、これで撮れるのかと心配したくなるレベル。結論から言うと何の心配もない写り。エントリークラスのズームを使ってきて単焦点を増やしてみたい人にもおすすめできる。
単焦点としては明るくはないF値だが、開放からシャープに写るのでボケも作りやすい。最短撮影距離が長めなので背景をボケで吹き飛ばすような撮り方は難しいが、ボケ味は自然な部類。絞り込めば周辺まで写したい風景撮影にも対応できる。
色収差、周辺減光、歪曲などの癖も目立つものはなく、扱いやすい十分な画質と言える。
フォーカスシフトが発生するので、絞り込むとファインダーで見たときとピント位置がずれる問題がある。
機能
薄さが機動力に寄与するのはもちろん、フジツボ型フードの構造が優れている。
つけっぱなしでも携帯性を損なうことがなく、レンズキャップなしでも前玉を保護してくれる。
鞄につっこんでいた一眼レフをさっと取り出してそのまま撮影できるところもスナップ向き。
画角はAPS-C使用時でFF換算61mm相当。
被写体の全体を写すために数歩引くか切り取った構図を選ぶことが多い焦点距離。風景を切り取るスナップ撮影では、むしろこれぐらいの狭さが扱いやすいことも。画面の遠近感が消失し始める境目で、標準レンズと中望遠の間をとった使い方となる。
フルサイズの画角はテーブルフォトにも丁度いいが、最短撮影距離は微妙に長く感じる。
AF速度は特に遅くもないがボディー内モーター駆動なので動体向きではない。他のレンズにない特徴で、AFが迷って最短と無限遠を往復するさい「ガッチャン」と硬質な金属音が鳴る。動作音が気になるような場所では使いづらい。
まとめ
40mmと言えば他社製品においてもパンケーキレンズの代表格。その中でも圧倒的な薄さ。
携帯性を優先した設計でモーターも非内蔵のLimited故のサイズでもあるが、癖のない安定した描写力で初めての単焦点としても勧めやすい。実際Limitedシリーズで最も安価な撒き餌レンズとなっている。
筆者にとってもオールドレンズ以外で初めて購入した単焦点レンズで、初心者向けのズームレンズと一味違う写りの良さからしっかりレンズ沼に引き込まれた。
備考
フルサイズでも一応使用可能
実はフルサイズでもほぼ問題なく使用できる。40mmそのままの画角はさらに扱いやすく、クロップと合わせて汎用性が上がる。
公式には非対応レンズなのでボディ側の補正機能は無効になる。四隅が荒れるほか周辺減光が目につくようになり、本気の撮影には不向き。しかしボディキャップ感覚なら荷物にもならないし、K-1をスナップ機にできるのは楽しい。
MH-RG49(FA43 Limited用フード)
MH-RF49(DA70 Limited用フード)
他のLimitedレンズの49mm径ねじ込み式フードを流用可能。
おそらく遮光性は変わるが、周辺の明るさに関してはどれをつけてもほぼ全く変化がない。
と言っても専用フードの方がコンパクトなのであまりメリットは無い。FA43用フードは少し口が広いので、フィルターを何枚も重ね付けしてキャップなしでバッグに入れるとかニッチな用途では役に立つかもしれない。
比較
ほぼ同じ構成だが鏡筒の設計をさらにコンパクト化した通称ビスケットレンズ。
画質も一緒かと思いきやXSはボケの質が若干荒れやすい。
しかし円形絞りを採用しているので角ばったボケにならない特徴もある。
専用のゴムキャップがあまり使いやすくはないのと、鏡筒の質感が異なる。
とにかく軽量薄型が重要だったりデザインが好みであればXSを選ぶのも手。
また、円形絞り採用としてはsmc DA40 Ltdの後継となるHD PENTAX-DA 40mm F2.8 Limitedがある。
K-70/KPを除くK-1以降の機種ではカスタムイメージSpecial Editionの「九秋」にも対応可能。
smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited Trial
レンタルの短期試用なので参考までに。
どちらもコンパクトだが、DA40は一眼レフのグリップの厚みにほぼ収まるので一枚上手。クイックシフトフォーカスもしばしば役に立つ。両者のフードは共有できるがフルサイズ + FA43 + DA40用フードの組み合わせは周辺減光が大きくなる。
描写面ではDA40は開放のキレと色収差の少なさが長所で、ボケ味も十分。FA43は開放が柔らかくピントの前後に色づきが出るなど癖もあるが、ボケを含む表現力は段違い。特にフルサイズで使うならFA43を選ぶべき理由は多い。
仮に2本とも所有していて1本だけ残すとしたらFA43を選ぶ気がする。
HD PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited
HD PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited
携帯性が近いDA Limitedとの比較。
DA21:最も寄れる。十二分なコンパクトさでAF音が僅かに控えめ。開放の性能はあまり高くない。
DA40:非常にコンパクトで開放から安定した描写。AF時の金属音が大きい傾向。FF使用可(非公認)
DA70:優れたボケ味。色づきは出るが開放から悪くない描写、AF音がやや控えめ。寄りが苦手。FF使用可(非公認)
HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR
光学性能はどちらも安定して癖がない。
望遠端のみの比較で言えばDA40の方がふたまわりコンパクトで単焦点らしいボケ量も活かしやすい。DA20-40は低倍率とはいえズームはズーム、やはりパンケーキレンズの取り回しには敵わない。
DA20-40は当然ズームならではの利便性があるが、ボディがK-1の場合はDA40も擬似的に40-60mmのような感覚で使えるし(画角に対する焦点距離が長くなるので)ポートレートも結構いける。
防滴仕様、静粛性、最短撮影距離など、DA20-40は一芸よりも細やかな性能に支えられた扱いやすさが売り。個人的にはリミズームの方が使用頻度は高い。










