HD PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited

FF換算107mm相当の画角を実現した中望遠パンケーキレンズ。
望遠であることを意識させない外観で、気軽なポートレートや散歩に最適。
カスタムイメージSpecial Edition「九秋」に対応している。

長所                  短所                  
ポケットサイズの携帯性
単焦点らしい画質とボケ味
アルミ削り出しの金属外装
一応フルサイズ使用可(非公認)
特になし
おすすめの用途
スナップ / ポートレート / 風景 / 旅行


画質

フードを伸ばした状態だとDA Limitedの中では厚い方だが、本体は非常にコンパクト。
小型ながら単焦点らしい解像力と自然なボケを備える。

開放では周辺減光と軸上色収差がやや目立つ。ピント面前後が色づくことがしばしばある。
周辺減光は1段絞り〜F4でほぼ解消される。
軸上色収差はF5.6あたりで改善が見られるが、厳しい条件(立体的な逆光の枝葉など)では多少残る場合がある。

基本的な撮影では開放から画質に問題はなく、絞ることでよりシャープで緻密な描写となる。
開放だと周辺の解像力は甘め。中心部はF5.6、周辺から四隅はF8あたりがピーク。
F11からは周辺を含めて解像力が低下していく。

開放の玉ボケは四隅がレモン型で口径食を感じる写り。
ボケは被写体によってエッジが現れることもあるが、概ね素直で単焦点らしい描写。
smc版からHD版へアップデートされた際に円形絞りが採用された。

逆光耐性は良好だが、強力な光源がフレーム内にあるとゴーストが発生することがある。基本的には撮って出しでも色乗りやコントラストがよく、単焦点らしいヌケの良さを持っている。


機能

鏡筒本体はパンケーキレンズと言って差し支えない薄さ。
49mm径のねじ込み式フードは約1cmの伸縮が可能。僅かな差だが、フード長は持ち出しやすさに響く要素。

DA Limitedの単焦点シリーズの共通仕様として防滴には非対応、モーターも内蔵していない。
旧型のsmcコーティング版からの変更点として円形絞りを採用している。

AFは特別速くも遅くもなく、合焦にワンテンポ必要だが被写体が常に動くような撮影でなければあまり気にならない。モーターを搭載するレンズに比べて動作音は大きめ。

画角はFF換算107mm相当。建物にしろ風景にしろ被写体の一部を切り抜くような構図になりやすく、全体を捉えようとすると距離感の調整に一手間かかる画角。中望遠スナップなら50mm(FF換算76.5mm相当)の方が汎用性が高いが、物理的に近寄れない被写体を軽く引き寄せたり被写体と背景の距離感を圧縮する望遠レンズらしい撮影はDA70の得意分野。

最大撮影倍率は0.12倍と低いものの、最短撮影距離は70cmとスナップの距離感で困るケースは少ない。


まとめ

お散歩望遠スナップに最適な中望遠単焦点。
他社においてもこの薄さで実焦点距離70mmという製品はほとんど見ない。

傍からはとても望遠レンズには見えず、さりげなく被写体に寄った写真が撮れる。望遠レンズにありがちな銃口を振りかざすような威圧感が皆無で、その点もスナップ向き。

広角寄りのズーム、あるいは他のLimitedレンズの穴を埋める立ち回りとしても扱いやすい。我が家ではGRIIIとペアとして重宝している。


比較

smc PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited

コーティングと絞りの違いは一度検証してみたいところだけど未使用。
画質の向上は広角系DAリミの方が大きいとも聞くが、HD版は専用カスタムイメージも追加された。
何気に価格差があるのでお手軽さ優先ならsmc版の中古入手もアリかもしれない。


HD PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited
smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited

携帯性が近いDA Limitedとの比較。

DA21:最も寄れる。十二分なコンパクトさでAF音が僅かに控えめ。開放の性能はあまり高くない。
DA40:非常にコンパクトで開放から安定した描写。AF時の金属音が大きい傾向。FF使用可(非公認)
DA70:優れたボケ味。色づきは出るが開放から悪くない描写、AF音がやや控えめ。寄りが苦手。FF使用可(非公認)


smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited

レンタルで3ヶ月程使用しただけなので参考までに。
サイズと表現力のバランスが極めて高い中望遠単。
画角が似ているが性格は異なる。収差の癖はやや強め。
しかしFA77は持ったときレンズの塊感があり、表現力も一枚上手。フルサイズでも四隅まで綺麗。

ともにコンパクトなレンズだがDA70はパンケーキと呼べる薄さ。
フードが着脱可能でフジツボフードに換装できる点もコンパクトさを後押ししている。
FA77は荷物として邪魔にならないコンパクトさで、DA70は荷物であることを感じさせないサイズ感。
使い勝手の面ではクイックシフトフォーカス採用のDA70にさらに分がある。

ボケの質感と立体感のある描写を重視するならFA77、扱いやすさで選ぶならDA70。


備考

フルサイズで使用可能

APS-Cで見られる周辺部の画質の癖がさらに強まった描写にはなるが、十分に実用範囲。

F11まで絞っても四隅にやや乱れは残る。が、その四隅も安価なズームレンズの描写より良好。
スマホやタブレットの鑑賞サイズで見る分にはほぼ違和感なく70mmとして扱える。
テーブルフォトにも対応できそうな画角になるが、寄れないので座ったまま撮るには無理がある。

フルサイズで周辺光量の落ち込みが少ない順にフードの組み合わせを並べると以下の通り。

フードなし ≒ FA43用フード  DA70用フード(収納) > DA70用フード(延伸) > DA40用フード

携帯性や遮光のメリット、欲しい効果によって使い分けたい。

MH-RF49(DA70 Limited用フード) ジェネリックフジツボ(?)

DA40 Limitedに付属するいわゆるフジツボフード(MH-RE49)との比較。PENTAXを使っていると、49mm径の規格とは自然と付き合いが増えていく。

広角レンズに装着して軽く検証してみたところ、DA70用フードは延伸しなければDA40用フードよりケラレが少ない。また、延伸した状態でもほんのわずかにDA40用フードの方がケラレやすい。DA70は中望遠であるにも関わらず(短縮状態で)標準域相当のフードがついていることになる。

手持ちレンズをキャップ無しで運用したいけどDA40用だと周辺減光が大きい場合、DA70用が活きるかもしれない。

MH-RE49 (DA40 Limited用フード)
MH-RG49 (FA43 Limited用フード)

Limited系ではFA77に次いで画角が狭いので、40・43mmのレンズフードはもちろん流用可能。特にDA40用のフジツボフードはコンパクト。FA43用のフードは元のフードより2mmほど薄くなる以外のメリットは特に無いが、装着すると普通に様になる。見た目的にはDA70用フードより若干取り込む光の量は増えていそうに見えるが、フルサイズの範囲で両者を比べても周辺の明るさはほぼ全く変化がない。

好みに応じて換装してもいいし、しなくしてもいい。


作例


PENTAX K-1 Mark II (APS-C Crop) 1/250s F2.4 ISO100 70mm

PENTAX KP 1/320s F2.4 ISO200 70mm


PENTAX KP 1/125s F2.4 ISO200 70mm
カスタムイメージ:里び


PENTAX K-1 Mark II (FF) 1/500s F2.4 ISO1600 70mm
カスタムイメージ:九秋


PENTAX K-1 Mark II (FF) 1/500s F3.2 ISO100 70mm


PENTAX K-1 Mark II (FF) 1/100s F11 ISO100 70mm


PENTAX K-1 Mark II (FF) 8.0s F3.2 ISO1600 70mm
Lightroom現像


PENTAX K-1 Mark II (FF) 1/1000s F2.4 ISO400 70mm


PENTAX K-1 Mark II (FF) 1/1000s F2.4 ISO125 70mm


PENTAX K200D 1/800s F2.4 ISO200 70mm


PENTAX K-1 Mark II (FF) 1/8000s F7.1 ISO400 70mm
カスタムイメージ:Gold


PENTAX K-1 Mark II (FF) 1/1000s F2.4 ISO800 70mm
カスタムイメージ:九秋