PENTAX KP
K-5IIの購入から3年、2020年4月に購入。
前の機種の写りには満足していたが、欲が出て5年新しいボディに手を出した。
泊りがけの旅もよくするようになって、さらなる高感度撮影に興味を持ったのも理由のひとつ。
特徴
K-5IIと比べて
◎ Wi-Fi対応
◎ AF測距点が11→27点に増強
◎ 屋外で液晶が見やすいアウトドアモニター
◎ 2400万画素の解像感とリアル・レゾリューション・システム
◎ ローパスフィルタレスによる解像性能向上とローパスセレクター搭載
◎ 最新のKAF4に対応、使えるレンズの幅が増えた
◯ 0.95倍の光学ファインダー
◯ 小型化と57gの軽量化 (K-3II比だと82g)
◯ 電子シャッター(サイレントシャッター)対応
KP以前のAPS-C機と比べて
◎ チルト液晶
◎ 5つのダイヤルを組み合わせた手に馴染む操作性
◎ ISO3200まで常用できる高感度耐性(最高設定感度819200)
◯ 5段5軸の強力な手ブレ補正
◯ デザインや握りやすさを選べる交換式グリップ
いまひとつな点
△ シングルスロット
△ GPS非搭載
△ 連写性能はK-5IIと同等 or やや劣る
✕ 動画機能はK-5IIからほぼ据え置き
✕ 一眼レフとしてはバッテリーの消耗が早い
中級機としてはコンパクトながら重厚感があり、上級機にも劣らない機能と操作性が凝縮されている。
風景撮影との相性は抜群だが、バッテリーの駆動時間と動体撮影性能に制約がある。
使ってみて
強力な手ブレ補正や高感度性能の向上で夜の撮影に抵抗がなくなったほか、マウント規格も野鳥が撮れるDA55-300PLMのKAF4に対応したりと撮影体験をぐっと広げてくれたカメラ。
機能性
コンセプトとしてはまさに「ミニK-1」そのもの。
当時のラインナップとしてはK-3IIと同等かそれに次ぐ中級機として登場。
フルサイズ機に搭載された技術(可動式液晶・スマートファンクションダイヤル・アクセラレーターユニットなど)を小型のボディにこれでもかと詰め込んでいる。流石にフレキシブルチルトではなく普通のチルト式液晶だが、固定式より十分便利。
K-1より進歩している要素もいくつか。
スマートファンクションダイヤルはユーザーカスタムが可能となり、アウトドアモニターなどK-1で選べない項目を選択できる。また、露出を揃えて絞り値の異なる写真を連続撮影できる被写界深度ブラケット撮影もこの機種で登場した。
またK-1にも追加された電子シャッターに対応おり、K-1では部品の動作音が鳴るのに対してKPはLV撮影時に完全な無音撮影が可能。
高感度性能
宣伝塔となっていた最高ISO感度819200はK-1と同等。
他社が51200あたりを最大値にしている業界水準をぶち抜くスペック。シャーマンキングのハオかと。とはいえ実用感度は12800あたりで、被写体ブレ回避が優先される場合なら51200まで開放する感じ。鑑賞できるレベルとなると10万を超えてくると厳しい。81万は本当に何が写っているか一応判別できる程度の水準になる。
これでISO81万を謳うのは誇大広告とも捉えられかねないが、購入前に調べた限り(最高感度はともかく)かなり高感度に強いカメラであることは間違いなさそうだった。そして購入してからの印象も同様。
体感ではK-5IIと比較して1〜2段程度、K200Dと比べるなら3段ほど常用感度が上がった。時代の進歩ってすごい。
リアルレゾリューション・システム
K-3IIから搭載された機能。所謂ピクセルシフト撮影機能。
等倍鑑賞するレベルの写真では確実に効果がある。解像感だけではなく思ったよりダイナミックレンジも拡大した。ノイズ感がISO感度で1段分ほど低減される。それに伴ってクロップ耐性も上がるので、写真をプリントしない人でも結構恩恵にあずかれたりする。
「4枚分の電子シャッターを切る間1ピクセルも動かない被写体」という条件はなかなか難しく、木の葉の揺れでもモアレが出るし動体補正機能も検出漏れが多い。例えば遠景の湖を撮影する場合でも、前景に木の葉を入れたりすると後処理が面倒なことになったりする。そういう場合は最終的に手でレタッチするのだが。
発売翌年のK-1IIで登場した手持ちリアレゾは搭載されていない。
手持ちリアレゾは確認した限り本家のリアルレゾリューションより効果が限定的かつ合成時間が極端に長いため、必要ではないと個人的には感じている。
バッテリーの寿命が短い
エントリー機と同じD-LI109が採用されている。上位機のバッテリーに対して容量は56%。
撮影可能枚数は420枚で電池寿命はミラーレス機並となっている。
体感だが、センサーに電気を流すのに電池を消耗するミラーレスとは異なり撮影後の処理で電池が減っていく気がする。つまりミラーレスは電池の減りが撮影枚数ではなく起動時間に比例するがKPはその逆、撮影枚数を絞りつつ電源を入れておく分にはそこまで消耗しない可能性もある。
K-1がK-1IIになった際にその影響が出たように、アクセラレーターユニットは結構電池を食うらしい。同様にアクセラレーターが追加されたK-70ではK-50と然程変わらない電池寿命となっているが、この辺の理屈の詳細は不明。対応するISO感度から察するにアクセラレーターユニットに要求される処理の重さや画像エンジンが要求するエネルギーが多いのだと思われる。
理由はさておき、丸1日撮影しようと思ったら予備バッテリーが1〜2個必要になる。またKPはK-1のサブ機としても操作性や絵作りの面で相性が良いのだが、バッテリーを共有できないため余計な荷物が増えることになる。
とりあえず、バッテリーまわりの問題を補完するなら後述のバッテリーグリップがお勧め。
備考
2021年春頃に生産終了。
PENTAXの中では比較的新しい機種だが、K-1 / K-1II / K-3 Mark III / KFとは異なり2021年以降のファーム更新対象には含まれていない。
「里び」「Gold」やカスタムイメージSpecial Editionには非対応で、特に前者ふたつは個性が強いため撮って出しに拘りのある人には惜しい部分。専用ソフトのDCU5があれば(KPに限らず)PC上での再現は可能。
おすすめレンズ3選
HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR
HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR
HD PENTAX-DA 15mm F4 ED AL Limited
KPはとにかくLimitedレンズが似合う。しかし性能的に本格的な風景撮影もこなせるカメラなのでズーム倍率と画質のハイレベルなバランスが実現されているDA16-85はイチオシ。
が、DA20-40というやたらフィット感の高い標準ズームも同時にラインナップされているのが悩ましい。DA20-40は風景用としては広角不足になりやすいが標準域縛りのスナップが逆に楽しく、単焦点のように足で稼ぐスタイルが身につくレンズ。どちらも買って後悔なし。
Limited単焦点は全て似合うし、コンパクトでいかついKPのダイヤルの操作感とLimitedのメカメカしさは非常に親和性が高い。つまり撮っていて楽しい。もはや好きな画角から全部揃えていくのが正解と言ってしまいたいところだが、D-BG7を装着したKPとDA15の外観はかなりイカしているので選定。ズームがDA20-40の場合は広角域をカバーする担当としても活きてくる。
外観
角ばったペンタプリズムと薄型のボディは、昔ながらの一眼レフを思わせるデザイン。
大きく露出したダイヤル、グリップ形状など現代機では見られない拘りが詰まっている。
それが単なるフィルムカメラ回帰ではなく、現代的な実用度と融合しているのがKPの面白いポイント。
各種ダイヤルはほぼ右手で操作が完結するよう配置されており、カスタマイズの自由度も高い。交換式グリップの初期設定はグリップの浅いSサイズだが、これも好みやレンズ重量に応じてM・Lサイズへと交換できる。
内蔵ストロボもあると地味に便利なものだし、総じてデザイン性に機能性が引っ張られていない。
もちろんノスタルジックな操作性が良くない訳ではなく、昔ながらの撮影体験を提供してくれる魅力的な機種も他社から出ている。そしてKPのようにレトロ調を「思わせる」デザインを持ちながらちゃっかり美味しいどこ取りをしている機種というのも、ベクトルが違っていて面白いという話。
Limitedレンズとの親和性が恐ろしく高いのもKPの特徴。
後継機(願望)
KPの生産終了はK-3 Mark IIIが発売される直前だったが、上位機と被るから廃盤となったのか部材調達などの問題で生産できなくなったのかは不明。高感度に強いAPS-C機ということでPENTAX機ではそれなりに売れていた印象だったのだが。身の回りのPENTAXユーザーには所有者も多い。
動体撮影と高倍率OVFで差別化したK-3 Mark IIIとKPIIの体制、体力さえあればなあ。。
この辺の仕様で20万円を切っていればちょっとだいぶ欲しい。
・GPS搭載 or Bluetooth常時接続
・アストロトレーサーType3対応
・チルト液晶継続、OVFや連写性能もそのまま
・現行カスタムイメージに対応
・できればデュアルスロット
・できればバッテリー大型化(おそらく交換式グリップとトレードオフ)
専用アクセサリー
交換グリップM / O-GP1671
交換グリップL / O-GP1672
初期装備のSサイズは軽量なキットレンズやパンケーキレンズ向け。
倍率の高いズームレンズや大口径レンズを装着するならM以上に交換した方がストレスが少ない。
Sだとつまんでホールドする感触なのに対して、Mでは握り込む部分が生まれる。
Lグリップは望遠レンズやバッテリーグリップの使用時に適している。
バッテリーグリップ非使用時に一番汎用性が高いと感じるのはMサイズ。
バッテリーグリップ / D-BG7
KPの駆動時間を大幅にアップできるバッテリーグリップ。
冬の青森の撮影にあたり、吹雪のなか電池交換をしなくてもいいようにと購入した。
D-LI109だけでなく上位機のD-LI90Pも使用できるため、1050mAh → 1050+1860mAh と単純計算で3倍弱の容量となる。
縦グリップとしても前後ダイヤルにグリーンボタン・AF/AE-Lが加わり操作性に問題はない。
デザインもKPに合わせたものになっている。


