HD PENTAX-DA 18-50mm F4-5.6 DC WR RE
PENTAX初となった沈胴式ズームレンズ。
厚さは41mm、準パンケーキレンズと言える薄型設計と軽量化が施されている。
ほぼ同時期に登場したsmc DA18-50 REのHDコーティング版。
| 長所 | 短所 |
| ポケットサイズの携帯性 前玉が傷つきにくいフード クリアで色乗りのいい描写 静粛なAF 防滴仕様 | F値が暗め やや強い周辺減光と歪曲収差 玉ボケがざわつきやすい 沈胴のひと手間 & MFの操作性 |
| おすすめの用途 旅行 / ツーリング / スナップ / テーブルフォト | |
画質
APS-Cデジタル一眼用に開発された入門標準ズームとしては4世代目にあたり、2世代目との比較では画質面でも順当に進化している。HD版においてはコーティングを更新したおかげか逆光での性能が向上している。ややコントラストも高めで、こってり目と言ってもいいかもしれない。
中央は開放からしっかりとした解像感。周辺部の解像度はそれほど高くないものの、F8.0あたりは遠景でも全域で問題のない描写をしてくれる。
ボケは普通といえば普通だが、点光源のある背景だとややうるさく感じることもある。輪郭が強めに出やすい傾向に加えてレモン型の玉ボケが主な要因。少し絞ることで大人しくなる。
広角端の周辺減光が強めで、歪曲収差も目立つ。
F4-5.6というF値はキットレンズとして見てもやや暗めだが、APS-C用だけあって設定を細かく考えず開放でラフに撮影しても被写界深度を稼ぎやすい点はスナップ撮影でメリットに転じることも。
いくつか癖があり高画質のみを求めて使うレンズではないものの、旧来のキットレンズから画質を損なわずに後述の頭抜けた携帯性を両立させている。
機能
なるべく機材をコンパクトにしたいけど単焦点は……というときの第三の選択肢。
沈胴式なので撮影までワンアクション加わる不便さはあるが、レンズ交換に比べたら手軽な動作。
定番かつ使いやすい焦点距離をカバーしており散歩やポタリングが捗る。これぐらい薄いとカメラごとサコッシュに放り込めるサイズになるのが嬉しい。また、四角い窓型フードのおかげでキャップなしでも前玉が傷つきにくいのもポイント。フードが付属してくるのがHD版のメリットでもある。
AF速度は可もなく不可もなくまあまあの速度。速い or 近い動体でなければ不満はない。
最短撮影距離30cmと、小さいものを写したり被写体に寄る分にはさほど苦労がない。
小型軽量化の代償としてプラマウント、鏡筒のガタつき、操作性など少々難がある。質感はいかにもなプラスチックなので所有欲を満たしたい人には微妙な点かもしれない。特にピントリングはトルク感に欠け、さらにパワーフォーカス(電動式)の動作はラグが大きい。折角のクイックシフトフォーカス機構採用だが、MFでのピント追い込みはなかなか手間。
余談だが、同じく沈胴式のDA55-300PLMではこれらの心配は全くと言っていいほど無い。
DA18-50REではやむを得ずコストカットされた部分もありそう。
なおズームリングが薄くて繰り出したレンズを沈胴状態に戻すのが少々難しく、コツが必要。
① 沈胴スイッチを押した状態で広角端からさらにリングをひねる。
② リングが回り前玉が少し収納されるが、ここからロック位置まで回すのがやりにくい。
③ ここでリングを回さず、前玉(フード)に手を当て軽く押し込むとスムーズに収納できる。
まとめ
定番のズーム域・逆光性能・防滴仕様と地味な欲張りセットをこのサイズで使えるのが最大の長所。
個人的にはK-01との組み合わせがベストマッチで、何ならトイ風の質感もプラスに転じる(かも)。
PENTAXのAPS-C用標準レンズは純正だけでも激戦区なので、このレンズを優先的に購入する理由がある人は少ないかもしれない。所有欲をくすぐられるとか別格の描写力に惚れ惚れするといったジャンルのレンズではないが、写真を見返すと結構いい感じに撮れていたりするので地味に手放しづらい。
備考
フルサイズでの使用
24mm以降ならクロップなしで一応使える。
ただし強い周辺減光とぐるぐるとした口径食を感じる癖の強い描写。
いかにもレンズの端まで使っている雰囲気の写真になる。
トンネル風の効果を狙って or どうしても広角が欲しいとき24mmとしていけるかもしれない。
ケラれて完全に使えないよりはプラス要素ということで。
比較
smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL II
DAシリーズの入門標準ズームの歴史は大体こんな感じ。(プラマウント版省略)
② DA 18-55 AL II ◀クイックシフトフォーカス採用
③ DA 18-55 AL WR ◀防滴機構採用
④ DA 18-50 DC WR RE ◀内蔵モーター・沈胴機構採用、HD版あり
この中で所有しているのは第二世代の18-55ALIIと第四世代にあたる18-50REのHD版。
正確には後者の18-50は派生というか、18-55AL WRと立ち位置が被るのもあってかディスコンに。
smc版を所有していないため推測だが、おそらくHD 18-50REの色乗りの良さはコーティングによる部分が大きく過去モデルとも差を感じる部分。望遠端の5mmは微々たるものなのでそれほど気にする必要はない。この手のズームは遠くのものを引き寄せるというより、構図の微調整やパース感のコントロールに使う事が多い。
鞄に放り込めるサイズと使い勝手という点では、レンズ単体で買う理由があるのはHD DA18-50RE。
DA18-135より小さい18mmスタートのズームが必要、かつ操作性も大事ならDA18-55も。
HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR Trial
コンパクトで倍率の高くない防滴ズームレンズという共通点があるとかないとか。
1段分明るいF値など分かりやすいスペックに加え、点光源が陰影がぎらつく背景ではボケ味の差が現れやすい。
歪曲などDA20-40も粗がない訳ではないがLimitedシリーズの中では大人しい描写で扱いやすい。価格は高めだがビルドクオリティも優れており、キットレンズからの買い足し候補としてはより順当な選択肢。

















