SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC



FF換算15-30mm相当をカバーする超広角ズーム。
周辺部など光学性能のムラはあるが、価格もサイズも抑えめで扱いやすい。
Kマウント用はモーター非搭載のボディー内モーター駆動なので注意。

長所                  短所                  
超広角ズームとしてはコンパクトF値が暗め
ズームリングの回転方向が純正と逆
フレア・ゴーストが出やすい
おすすめの用途
風景 / スナップ / 旅行 / 天体


画質

解像性能はズームレンズとしてエントリー〜中堅の間ぐらい。単焦点に比べると全体的にキレはないが、絞ればそこそこシャープに写る。2005年発売のレンズとしてはコントラストも悪くなく、風景撮影に持ち出せる。

広角端の画質はやや不安定。開放側は周辺部へ行くにしたがって像が乱れる。絞っていくと改善され、F8〜10で十分な解像力となる。16MPぐらいの機種であればそれほど不満はないが、最近主流の24MPだと画素数を持て余し気味かもしれない。

ズームしていくに従い周辺まで性能が安定する。
望遠端は開放〜1段程度で概ね信頼できる描写。

シグマのレンズでしばしば言われるように、寒色に寄りやすい傾向が見られる。逆光ではコントラストがやや低下するのに加え、時折派手なゴーストやフレアが出ることも。どんな状況でもクリアな描写を求めるのであれば新し目のレンズの方がベター。

光源が入り込みやすい超広角レンズでは少々辛い部分で、構図に工夫が必要となる場面がある。


機能

純正とはズームリングの回転方向が逆で、やや操作に慣れが必要。

フィルター径77mmの前玉とフードは少し嵩張るものの一眼レフ用の超広角ズームレンズとしてはコンパクトにまとまっており、ツーリングなどに気軽に持ち出せる。

他社マウント用ではHSMモーターを採用されているがKマウント(とAマウント)用ではモーターが省略されており、フルタイムマニュアルにも対応していない。カタログ質量は465gと表記されているがKマウント用の実測値はフードやキャップ類込みで414g。レンズ本体のみだと368gとHSMモーターが無いぶん軽量化されている。AFは概ね支障なく使えるが、動体追従にはあまり強くない。


まとめ

SIGMAの旧ハイエンドシリーズであるEXの名を冠しているが、デジタル黎明期の製品ということもあり現在となっては性能はぼちぼちという評価になる。同社もスペック的に物足りないと感じていたのか、4年後にひと回り大口径化して硝材もアップグレードした後継品を出している。

とはいえ中古相場もお手軽で広角としてはなかなかコンパクト。天体など具体的な目的はないけどとりあえず超広角のパース感を試してみたい人には悪くない選択肢。純正の超広角ズームは11〜12mmスタートだが、それより5〜10%ほど広い画角で気軽に撮影することができる。

やや暗めなので天体撮影では多少の制約があるものの、地上の風景が入らない星野写真であればアストロトレーサーを活用した長秒露光で露光不足の対処は可能。

F3.5通しの後継品はスーパーマルチレイヤーコートを謳っており、F4-5.6版のコーティングとの差異は不明だが逆光耐性は改善されている可能性が少々。それよりPENTAX用でもHSM & フルタイムマニュアルが対応している違いの方が大きいかもしれない。


備考

2024年12月に売却。
フルサイズ対応の明るい超広角ズームを手に入れて出番がなくなったため。


比較

過去発売されたAPS-C用Kマウント広角ズームは以下の通り。(発売年順)

・smc PENTAX-DA 12-24mmF4 ED AL[IF]
・SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC
・TAMRON SP AF 10-24mm F/3.5-4.5 Di II LD Aspherical [IF]
・SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM
・SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
・HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW

価格的に入手しやすいのがシグマ10-20/4-5.6とタムロン10-24。純正12-24/4とシグマ10-20/3.5はやや明るく、シグマ8-16はFF換算12mmでまさに超広角。純粋な画質でいくと星撮り前提で設計されている純正スターレンズが最善の選択肢となる。

シグマ10-20/4-5.6はこれらの中で下から2番目ぐらいの流通価格。
本格的に星撮りをしたり引き伸ばしてプリントする用途では物足りないかもしれないが、キットズームからの開拓で振り切った画角のレンズを試したい人、大型化しやすい超広角レンズをコンパクトに抑えたい人には過不足のない選択肢でオススメできる。

smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED[IF]

魚眼レンズなので性格は全く異なるが、カバーする焦点距離の範囲が近いレンズ。
Lightroomなどで歪み補正をかければ擬似的な超広角レンズとして運用できなくもない。


左から  ①シグマ10-20  ②DA10-17+歪み補正  ③DA10-17補正なし
撮影地点は若干異なるので参考程度に。


①の範囲は大体内枠の範囲で、②は黒枠の範囲まで写っている。
②の周辺は荒いが、天候の差を考慮してもコントラストや中央のシャープネスは①より良好。


色収差の少なさと超広角としての扱いやすさを優先するならシグマ10-20/4-5.6が適している。
魚眼でもシャープさとコントラスト、携帯性に魅力を感じるならDA10-17も面白い選択肢。


作例


PENTAX K-5II 1/160s F4.0 ISO100 10mm


PENTAX K-5II 1/160s F14 ISO80 10mm


PENTAX K-5II 1/125s F8.0 ISO200 10mm


PENTAX K-5II 1/125s F9.0 ISO80 12mm


PENTAX K-5II 1/400s F8.0 ISO80 10mm


PENTAX K-5II 1/100s F8.0 ISO100 10mm


PENTAX K-5II 1/8s F4.5 ISO1600 10mm


PENTAX KP 10s F8.0 ISO800 14mm


PENTAX KP 1/50s F11 ISO100 10mm


PENTAX KP 1/125s F4.0 ISO100 10mm

PENTAX K-5II 1/125s F10 ISO200 13mm


PENTAX KP 1/30s F6.3 ISO1600 20mm