PENTAX Q-S1

元気な個体が流通している内にと2022年春に購入。
圧倒的にコンパクトながらFF換算17.5mmの広角から207mmの望遠まで幅広い撮影に対応する。
Qシリーズは実質終了してしまったが密かなファンが多い。


特徴

いいところ

 ◎ 圧倒的にコンパクトなレンズ交換式カメラ
 ◯ Q-7から続く1/1.7型センサーの採用
 ◯ コンパクトでユニークなレンズ群
 ◯ 地味にフラッシュ内蔵

いまひとつなところ 

 △ 画質面でスマートフォンに抜かれつつある
 △ 実用的なレンズが実質4本のみ
 △ PRIMEシリーズのレンズが1本しか出ていない
 △ 電池持ちが良くない


Q-S1というカメラ

PENTAX Qシリーズは2011年、1/2.3型センサーを搭載した初代モデルから始まった。
翌年にQ10、翌々年にセンサーサイズを1/1.7型に大型化したQ7が登場。
最終モデルとなったQ-S1が発売されたのは2015年のこと。
Kマウントが"King of SLR Mount"の略であるのに対してQマウントは"Queen of DILC Mount"の名を冠している。

スマートフォンのカメラ性能もフルサイズミラーレスの可能性もまだ未知数で、各社小型化を競っていた時代も過去のものに。
スマホは1インチセンサーや120mm相当の望遠まで搭載するようになり、小型カメラ市場は一気に廃れてしまった。
今後開発・発売されることはないであろうミニチュアサイズのレンズ交換式カメラ。

まだ綺麗な個体が多い内にと、程度のいい中古品を購入してみた。


使用感(2024.3.18)

とにかく手のひらサイズのボディが可愛らしく、玩具のような見た目でもしっかり写る。極小サイズながらこの時代にボディ内手ブレ補正を搭載しているのがPENTAXらしい拘り。シャッター幕は採用しておらず、かわりに一部の交換レンズにはレンズシャッターが搭載されている。

実用的なラインナップに標準単焦点(01)、広角〜標準・望遠・超広角ズーム(02・06・08)しかない点はレンズ交換式システムとしては物足りないところ。噂のあった望遠単焦点マクロが製品化されなかったのは惜しい。

Q10以前よりセンサーサイズが大きくFF換算で01 STANDARD PRIME / 8.5mmが39mm相当、02 STANDARD ZOOM / 5-15mmが23-69mm相当となり、広角側の使い勝手が向上している。標準単焦点と標準ズームの2本は携帯性も抜群で、スマートフォンとさほど変わらない容積でレンズ交換式カメラを持ち歩ける楽しさがある。

このカメラを購入した2022年時点ではスマートフォンカメラの欠点に望遠の不足があった。06 TELEPHOTO ZOOMはこれもまた極小サイズでF2.8通し・207mm相当の望遠ズーム。散歩で見かける中距離の生き物を記録するには丁度いい焦点距離。望遠レンズの出っ張りはポケットサイズと呼ぶにはギリギリの範囲だが、一眼レフに比べると遥かにコンパクト。

なお、2023年にiPhoneが120mm相当の高画質な望遠レンズを搭載した。焦点距離を稼ぐためにペリスコープ(正確にはテトラプリズム)を採用したモデルだ。光学的な優位性も、1.7型センサーでは追いつかれる時期がきているのかもしれない。

ボケの話をすると、やはりセンサーサイズが小さいのでスマホに追いつかれてきている。しかしBC(ボケコントロール)という面白い機能を搭載していて、ピントを移動させながら記録したデータを1枚の写真に合成するというもの。撮影にかかる時間や被写体認識の限界から実用面に疑問が残るが、こういう機能はあってもいい。

広角レンズは所有していなかったが03 FISH-EYE / 3.2mm、16.5mm相当の魚眼レンズを使用した。MF・レンズシャッター非採用・F値固定でトイレンズ枠に入るラインナップ。Kマウントの魚眼に比べて画質は数段劣る。しかしこのレンズも非常に小型でQマウントならではの遊び方ができる。

Kマウントレンズを使用するための純正アダプターもあり、マスターレンズの4.55倍程度に相当する焦点距離の望遠〜超望遠レンズとして使用できる。AF非対応で絞りも記録されないため難易度の高いシステムとなるが、コンパクトな100mmマクロと組み合わせたりすると昆虫や野鳥も撮れるようになる。高倍率だけあって並のレンズの開放性能だと色収差もかなり強調されるので、なるべく解像力が高く収差の少ないレンズを使いたい。

結論としては、いまの時代で実益のためにこのカメラを手にする意味は薄いかもしれない。しかし1.7型センサーを搭載したコンデジとして見ると多機能で画作りの自由度が高く、用途に合致すれば、あるいは趣味目的で所有するにはいいカメラでもある。カスタムイメージやスマートエフェクトを活用してスナップ用に持ち歩くと楽しい。引っ越しが続いた時期に手放してしまったが、やはり手元に置いておけば良かったかなと度々思う。


作例



01 STANDARD PRIME
1/2000s F1.9 ISO100 8.5mm (39mm)


01 STANDARD PRIME
1/500s F1.9 ISO100 8.5mm (39mm)
カスタムイメージ:ナチュラル


01 STANDARD PRIME
1/100s F5.6 ISO100 8.5mm (39mm)
Lightroom現像

01 STANDARD PRIME
1/640s F2.2 ISO100 8.5mm (39mm)
スマートエフェクト:アンティーク

01 STANDARD PRIME
1/1000s F1.9 ISO100 8.5mm (39mm)
スマートエフェクト:USER(銀残しカスタム)

02 STANDARD ZOOM
1/1000 F2.8 ISO100 5mm (23mm)
カスタムイメージ:ナチュラル

02 STANDARD ZOOM
1/80s F4 ISO100 12.3mm (57mm)
スマートエフェクト:ソリッドモノカラー

03 FISH-EYE
1/60s F5.6 ISO200 3.2mm (16.5mm)
Lightroom現像

03 FISH-EYE
1/15 F5.6 ISO100 3.2mm (16.5mm)


03 FISH-EYE
1/500s F5.6 ISO100 3.2mm (16.5mm)
Lightroom現像 (AIノイズ除去あり)

06 TELEPHOTO ZOOM
1/1250s F2.8 ISO100 15.2mm (70mm)
スマートエフェクト:Auto110


06 TELEPHOTO ZOOM
1/200s F4.5 ISO100 28.7mm (132mm)


06 TELEPHOTO ZOOM
1/250 F2.8 ISO100 36.3mm (167mm)
ボケコントロール:ON

06 TELEPHOTO ZOOM
1/1000s F2.8 ISO100 29.7mm (137mm)
カスタムイメージ:風景


Adapter Q for K-mount Lenses
smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR
1/320s F- ISO200 100mm (455mm)


Adapter Q for K-mount Lenses
smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR
1/320s F- ISO400 100mm (455mm)
カスタムイメージ:里び(DCU5現像)


Adapter Q for K-mount Lenses
smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR
1/100s F- ISO400 100mm (455mm)

01 STANDARD PRIME
1/60s F1.9 ISO100 8.5mm (39mm)
カスタムイメージ:雅

01 STANDARD PRIME
1/15s F1.9 ISO400 8.5mm (39mm)