PENTAX K-1 Mark II
2021年、Kマウントを使い始めて13年目でとうとうフルサイズ導入。
自転車乗りに重厚長大なシステムは気が引ける面もあったけど、一眼レフ使っといて今更というのもあり。
3600万画素+アクセラレーターユニット+リアルレゾリューションで一線級の画質を実現している。
特徴
いいところ
◎ 作り込まれた操作性
◎ 最高ISO80万の超高感度
◎ 3600万画素×リアルレゾリューションシステムIIの高い解像性能
◎ 唯一無二のフレキシブルチルト液晶
◎ Wi-Fi / GPS対応
◎ 過去のKマウントレンズ資産がフル活用できるセンサーサイズ
◯ デュアルスロット
△ 動体性能が低い
△ デジタルに対応したフルサイズ用レンズの選択肢が限られている
競合機種との主な違い
| 有効画素数 | ピクセル シフト | OVF 倍率 | 最高 ISO感度 | 手ブレ 補正 | 連写速度 (秒間) | 測距点 (クロス) | 測光 | 液晶 解像度 | タッチ パネル | スロット | Wi-Fi BT | GPS | 動画 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K-1II | 3640万 | ◯ | 0.7倍 | 819200 | 5段 5軸 | 4.4枚 (6.5枚) | 33点 (25点) | 8.6万 RGBIr | マルチ 104万 | - | UHS-I ×2 | ◯ - | ◯ | FHD |
| D850 | 4575万 | - | 0.75倍 | 102400 | - | 7.0- 9.0枚 | 153点 (99点) | 18万 RGB | チルト 236万 | ◯ | UHS-II XQD | ◯ ◯ | ◯ | 4K |
| EOS 5D IV | 3040万 | - | 0.71倍 | 102400 | - | 7.0枚 | 61点 (41点) | 15万 RGB | 固定 162万 | ◯ | UHS-I CF | ◯ - | ◯ | 4K |
動体はやや苦手だが、三脚を設置した風景撮影などで真価を発揮する。
オールドレンズ遊びも捗る一方、用途に合うフルサイズ用レンズが入手できるかは見極めたい。
使ってみて
FA Limitedの人気もあり、コンパクト路線だった当時のPENTAXにもフルサイズ待望の声は多かったそう。
現行ではフルサイズ用のレンズが少ないPENTAXだが、フィルム時代からの資産は多い。
そういう面でも35mm判のボディがあると楽しめる要素が倍に増える。
APS-Cはズームレンズ、フルサイズは小型の単焦点で運用する形に落ち着いてきた。
機能性
スマートダイヤルの使い勝手がよく、撮影シチュエーションに応じて機能を選択できる。
無効+9種のプリセット機能から変更できないのが惜しい。KPでは3つのカスタム枠が追加され、K-3 Mark IIIではスマートファンクションボタンの併用で更に自由度が高まった部分。K-1/K-1IIもアウトドアモニターやAFモードの切り替えが出来ればなお便利だったが、もっぱらクロップ切替えを使用しているので現在の仕様でも困ってはいない。
その他の操作性もよく作り込まれており、物理ボタンが多く配置されている。
強いて言えばライブビュー操作が左手のボタンになるので切り替えが面倒なこともある程度。
ジョイスティックは非搭載だが測距点移動切り替えボタンが配置されている。
他社を含め珍しいフレキシブルチルト機構は非常に目を引くポイント。
角度調整が楽で、これに慣れてからチルト液晶やバリアングル液晶を扱うとやや手間を感じる。
三脚使用時はもちろん、写真を見返したりカメラ内現像をするときも見やすい角度に調整できる。
四軸チルトと比べると左右角と俯角があまり取れないのが難点か。
(非推奨だが)液晶を持ってぶら下げても壊れる気配がないのはこのカメラぐらいだろう。
GPSを搭載しているため外部ユニットなしでアストロトレーサーが使える。
可動範囲の広いモニタも星撮りとの相性がいい。
他にも夜間のレンズやSD交換に便利なLED照明など、気の利いたギミックを搭載。
メカメカしい機材が好きな人には刺さる要素が多い。
高感度性能
宣伝塔となっていた最高ISO感度819200はK-1と同等。
他社が51200あたりを最大値にしている業界水準をぶち抜くスペック。とはいえ実用感度は12800あたりで、被写体ブレ回避が優先される場合なら51200まで開放する感じ。鑑賞できるレベルとなると10万を超えてくると厳しい。81万は本当に何が写っているか一応判別できる程度の水準になる。
他に超々高感度を搭載した機種にKP、K-3 Mark IIIがある。
軽く検証してみたところ K-3III ≧ K-1II > KP の順で高感度に強かった。
ただし、K-3IIIとKPの差も条件にもよるがざっくり1段少々。
K-1IIとKPだと横に並べてじっくり比較すれば分かる0.5〜1段程度の差。
また、KPやK-1IIでは20万あたりを境に色味が崩壊していくのに対して、K-3IIIでは解像度やダイナミックレンジこそ失われるが最高感度の160万まで色のバランスをそれなりに保っている。
いずれにしてもK-1IIの高感度性能は高く、用途次第で12800〜25600も常用でき得る。
リアルレゾリューション・システムII
K-3IIから搭載された機能だがK-1IIでアップデートされた。所謂ピクセルシフト撮影機能。
等倍鑑賞するレベルの写真では確実に効果がある。解像感だけではなくダイナミックレンジも拡大する。ノイズ感がISO感度で1段分ほど低減される。それに伴ってクロップ耐性も上がるので、写真をプリントしない人でも結構恩恵にあずかれたりする。
「4枚分の電子シャッターを切る間1ピクセルも動かない被写体」という条件はなかなか難しく、木の葉の揺れでもモアレが出るし動体補正機能も検出漏れが多い。例えば遠景の湖を撮影する場合でも、前景に木の葉を入れたりすると後処理が面倒なことになったりする。そういう場合は最終的に手でレタッチするのだが。
また、K-1からK-1IIになったことで「手持ちリアレゾ」が可能となった。
効果としては三脚リアレゾより弱く、合成処理の待ち時間はかなり長い。
処理待ちとファイルサイズ増加のデメリットを考えると出番が少ないのが難点。
解像感というより、色味の変化が効果として体感しやすい気がする。
リアレゾに共通する注意点だが、本来の撮影結果を得るにはDCU5が必要となる。
Lightroomでもノイズの低減など基本的な効果は反映されるが、動体補正などは適用されない。
動体性能
K-1で初搭載されたSAFOX12では測距点が27→33点と拡大している。
この時期のフルサイズ一眼レフとしてはやや物足りないかもしれないが、うちクロス測距点は25点。
SAFOX13を搭載したK-3IIIに比べると動体の追従は苦手だが、打数で打率を補えば動体も撮れなくはない。
RAWの連写速度は4.4コマ/秒、連続撮影可能コマ数は17コマ。
UHS-II規格のSDカードに対応していない点がボトルネックのひとつだと思われる。
やはり動体向きではないが、高画素寄りのフルサイズ機としては許容範囲か。
APS-Cクロップで6.5コマ/秒となるが、やはりK-5以降のAPS-C機の方が速い。
ただしクロップ時の連続撮影可能コマ数は50コマでPENTAX機の中でトップ。
これはK-3IIIの連続Mモードより多いので、それほど画素数と連写速度を必要とせずなるべく長時間連写したい場合はK-1で撮影する手もある。
クロップで使う場合は以前のAPS-C機より測距点のカバー範囲が広く、フレーム外を視認できる利点もある。
フルサイズ用レンズの展開
K-1の発売当初はDFAレンズがかなり少なく、それから新製品開発やOEMである程度のシステムが開発されてきた。そして完全新設計のレンズは2021年のDFA 21mm Limitedを最後にストップしており、ロードマップの公開も停止してしまった。今後の製品展開は特許情報などを元にした噂に留まっており、用途によって欲しいシステムが組めないケースがある。既存の規格や焦点距離に縛られないLimitedレンズもあるため、用途によって補える部分もある。
◯ F1.4クラス単焦点 = 50mm、85mm
◯ F2-2.4クラス単焦点 = 21mm、35mm
◯ F2.8通し大口径ズーム = 15-30mm、24-70mm、70-200mm
◯ F4通し望遠ズーム = 70-210mm
◯ F値変動小型ズーム = 28-105mm
◯ 超望遠ズーム = 150-450mm
△ F2.8クラス望遠単焦点 = 200mm
◯ F4クラス望遠単焦点 = 300mm
△ F5.6クラス超望遠単焦点 = 560mm
✕ F4通しズームの広角〜標準域
? F1.4クラスの広角単焦点
? 小型望遠ズーム
(◯…ある △…ディスコン/探せば新品もある ✕…ない ?…開発の噂はある)
外観
フルサイズ一眼レフとしてコンパクトに纏まりつつ、ぽってりとした厚み。
どこからどう見ても一眼レフといった風貌を持つ。
Limitedレンズを装着すると小顔で肩幅のあるバランス感が逆にアリ。
APS-C機より大きく重いぶん、重量級のレンズと組み合わせても運用はしやすい。
GPSを搭載するためにペンタ部のみプラ外装となっており、使用していると塗装落ちのムラが出てしまうらしい。今のところは全く確認していない。
後継機(願望)
後継機が出る可能性はいまのところ高くない。
仮に出ることがあれば上から順に欲しい要素。
・UHS-II対応
・K-3III相当のAF性能と被写体認識
・操作のカスタム性やスマートファンクションの改良
・Bluetooth常時接続
・ジョイスティック搭載
・明るく広い光学ファインダー(コスト爆増しそう)
K-3 Mark IIIが発売された2021年は新たなAPS-Cフラッグシップの完成度からフルサイズ後継機への期待が高まった。噂が出ないこともなかったが、主にユーザーとのオンラインミーティングで後継機の方向性についてアンケートを取っていたというもの。具体的に動いている気配はほぼない。
2024年現在でK-1の発売から8年が経過し、その間ハードウェア面の変化がアクセラレーターユニット追加のみということでメーカーも後継機の必要性は感じている模様。やはり開発費の捻出にかなり難航していると思われる。昨今はフィルムカメラ路線に舵を切っているというか、そうせざるを得ない気配も感じられる。営利企業だから赤字を垂れ流せないのは致し方ない。
ソフトウェア面では地道にサポートを継続しており、ファームウェア更新でカスタムイメージや新機能が追加するなどして商品価値を維持する取り組みをしている。
「里び」「Gold」はいずれもRAW現像では再現しにくい独特な表現で、ファーム更新をしていない人には是非試して貰いたいカスタムイメージ。課金機能だがGrad NDも、リアレゾほどシビアな合成機能ではなくLightroomでも普通に表示されるため意外と使える場面が多い。
他にはリニューアルされたHD版マクロレンズ用にフォーカスリミッターが搭載された。
専用アクセサリー
D-BG6
専用バッテリーグリップ。純正バッテリーと単三電池に対応。
アクセラレーターユニットはまあまあ電池を喰うらしく、K-1IIの電池寿命はK-1の760コマから670コマに減っている。
余程長丁場で撮りまくる撮影現場では必要になるかもしれない。
スマートファンクションダイヤルや十字キーまわり以外の操作はほぼ横位置同様に使える。
流石に日常使いする気にはなれない重さだが重量級レンズ使用時のバランスは良い。
とりあえず持っておいて損はないアイテム。
AF540FGZ
純正ストロボ。II型ではない旧製品のみ所有。
2軸可動で縦位置にも対応することができる。
正直使用頻度は少ないが、K-1/K-1IIともにストロボを内蔵していないのであるとたまに便利。






