簡易AFスピードテスト 


特定条件でのAF動作に要する時間を計測したデータのまとめ。
あくまで簡易テストなので、順位が実際の使いやすさを反映しているとは限らない点に注意。
再試験の結果次第、または試験サンプルが増え次第、項目の追加や順位の変動あり。
いずれのテストもコントラストAF(LV)ではなく位相差AFを使用。




1.AF往復時間(無限遠〜最短撮影距離)

概要

無限遠〜最短撮影距離の往復に要する時間のみを計測するテスト。

試験方法

・レンズキャップを装着した状態でAFを作動させ、無限遠-最短撮影距離を往復させる。
・10回の往復動作に要する時間を手押しのストップウォッチで計測する。
・AFの繰り返し動作の反応が最も速いK-3 Mark IIIで計測。

注意点

・実際はAF速度が同等でも、ピントリングの回転角が大きいレンズはタイムが長くなる。
・合焦させないため、合焦の追い込みに時間を要するレンズは実用よりタイムが短くなる。
・ボディ内モーター駆動式のレンズは機種によってAFスピードが異なる。

レンズTime(s)Delay(%)
1HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE09'060-
2smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited09'680+6.8
3HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8 ED PLM AW10'000+10.4
4TAMRON SP AF ASPHERICAL Di LD[IF]17-35mm F2.8-410'090+11.4
5smc PENTAX-FA 28mm F2.8 AL10'090+11.4
6HD PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited10'280+13.5
7smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited11'870+31.0
8smc PENTAX-DA 50mm F1.813'170+45.4
9HD PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited13'250+46.2
10HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR15'40+66.0
11HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8 ED SDM WR15'840+74.8
12HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WR16'230+79.1
13HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR16'280+79.7
14HD PENTAX-D FA★70-200mm F2.8 ED DC AW17'460+92.7
15HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR17'930+97.9
16SIGMA 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM18'960+109.3
17HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AW20'060+121.4
18HD PENTAX-DA 18-50mm F4-5.6 DC WR RE20'180+122.7
19smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR25'030+176.3

結果

PLMモーターで駆動する55-300が最上位となり、2位もDA★16-50PLMかと思いきやDA40がかなり速い。さらに4〜9位までは意外にもボディAF駆動のレンズがランクインした。計測に使用したK-3 Mark IIIのボディAFは従来機に比べて18〜31%程度高速化(テスト4参照)しているのでボディAF駆動レンズに有利となった側面もあるが、念のためK-1IIで同様の操作をしても全体の傾向は変わらず、AFの往復動作に要する時間のみを取り上げるとDC駆動よりボディAF駆動の方が全体的に短かった。単純な往復動作でAF駆動の精密さは考慮していない点に注意。




2.実写AF往復時間(近接〜遠距離)

概要

実際にカメラのAF機能を使用してシャッターを切る一連の動作の所要時間を計測するテスト。

試験方法

・焦点距離ごとに設定した距離にストップウォッチを設置し、スタートボタンを押す。
 10秒経過時点でストップウォッチを撮影し、遠景(約15m)にピントを移動させて再撮影する。
 再びストップウォッチを撮影するまでの動作を1往復とする。
 (広角レンズ=30cm / 標準レンズ=50cm / 中望遠レンズ=70cm / 望遠レンズ=2m )
・10往復時点で撮影したストップウォッチの計測時間から10秒を引いたタイムを出す。
・カメラのレリーズ設定はフォーカス優先とする。
・ズームレンズは広角端・望遠端の両方で計測し、平均値をタイムとする。
・なるべく人為的なミスを除くため、複数回試行のうち最も良いタイムを結果とする。
・2024年時点でAFモジュールが最新のK-3 Mark IIIで計測。

注意点

・実際はAF速度が同等でも、ピントリングの回転角が大きいレンズはタイムが長くなる。
・ボディ内モーター駆動式のレンズは機種によってAFスピードが異なる。
・望遠レンズの望遠端はファインダー像が安定せず、ややタイムが長くなる傾向がある。
・開放F値が明るいレンズはストップウォッチの捕捉が安定せず、タイムが長くなる傾向。
・遠景(屋外)の気象条件は完全に一致しないため、計測日によって合焦スピードに誤差が生じ得る。

レンズTime(s)Delay(%)
1HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE13'785-
2smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited13'890+0.8
3HD PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited14'080+2.1
4TAMRON SP AF ASPHERICAL Di LD[IF]17-35mm F2.8-414'220+3.2
5smc PENTAX-FA 28mm F2.8 AL14'280+3.6
6smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited15'880+15.2
7HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR17'880+29.7
8SIGMA 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM18'960+37.5
9HD PENTAX-DA 18-50mm F4-5.6 DC WR RE20'180+46.4
10HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AW21'485+55.9
11HD PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited21'890+58.8
12smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR21'980+59.4


結果

DA55-300PLMが最速となり、そして2〜6位はボディAF駆動のレンズがランクインした。DA16-85は広角端・望遠端の平均値を掲載しているが、広角端のみを反映しても17.080秒となり順位に変動はない。実用時にもAFの詰めが遅く感じられるDA70はテスト1より順位が下がり、普段の体感値に近い結果となった。このテストはピント位置を細かく前後させる精密性は度外視しているため、必ずしも順位が実用時のAF速度に比例する訳ではない。




3.AF-C往復テスト(近接〜遠距離)

概要

AF-Cで合焦完了(スーパーインポーズ機能で測距点が赤く点灯)する速度を比較するテスト。

試験方法

・カメラのAFモード=AF-C、測距モード=スポット測距点、レリーズ設定=フォーカス優先
・焦点距離ごとに設定した距離にストップウォッチを設置する。
 カメラのピント位置は事前にストップウォッチに合わせ、AFボタンを操作し測距を続ける。
 ストップウォッチの計測開始から10秒時点でカメラの方向を操作し、遠景(約15m)に合焦させる。
 スーパーインポーズが赤く点灯したら、再びカメラの方向を変えストップウォッチに合焦させる。
 カメラの方向を操作しストップウォッチに再度合焦するまでの一連の流れを1往復とする。
 (広角レンズ=30cm / 標準レンズ=50cm / 中望遠レンズ=70cm / 望遠レンズ=2m )
・10往復時点でストップウォッチを撮影し、計測時間から10秒を引いたタイムを出す。
・ズームレンズは広角端・望遠端の両方で計測し、平均値をタイムとする。
・なるべく人為的なミスを除くため、複数回試行のうち最も良いタイムを結果とする。
・2024年時点でAFモジュールが最新のK-3 Mark IIIで計測。

注意点

・実際はAF速度が同等でも、ピントリングの回転角が大きいレンズはタイムが長くなる。
・ボディ内モーター駆動式のレンズは機種によってAFスピードが異なる。
・望遠レンズの望遠端はファインダー像が安定せず、ややタイムが長くなる傾向がある。
・開放F値が明るいレンズはストップウォッチの捕捉が安定せず、タイムが長くなる傾向。
・遠景(屋外)の気象条件は完全に一致しないため、計測日によって合焦スピードに誤差が生じ得る。

(未実施)



4.機種ごとのボディAF往復時間(無限遠〜最短撮影距離)

概要

レンズの動作時間を計測し、ボディ内モーターの機種ごとの性能差を求めるテスト。

試験方法

・無限遠-最短撮影距離のAF動作(1往復)を計測。
・PENTAXの一眼レフは一定時間測距操作がないと半休止モード的な状態になると思われる。
 この状態になるとAFの始動にコンマ秒のラグが生じるため、休止モードにならないよう操作する。
 (カメラ内の何かのモジュールに通電しているようなノイズ音が止まる状態=休止モードと仮定)
・3回計測した平均値をタイムとする。

smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

 K-3 III  K-1 II    KP  K200D
Time(s)2'1402'5972'6903'220
Delay(%)-+21.3+25.7+50.5


HD PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited

 K-3 III  K-1 II    KP  K200D
Time(s)0'9831'4201'4331'770
Delay(%)-+44.4+45.8+80.0


結果

世代の近いK-1IIとKPのボディAFの性能は同等と思われる。2008年発売のK200Dはモーターの世代が古いのか乾電池駆動の特性なのか、K-3III比で+50〜80%もの時間を要する結果となった。K-3IIIのボディAFが従来機からどの程度速くなったかという視点では、K-1II比で約18〜31%、K200D比で約34〜44%高速化したと言える。レンズにもよるが2〜3割は高速化が見込めるということで、APS-C機メインでLimitedレンズなどを愛用しているユーザーは更新してみる価値があるかもしれない。




レンズごとの所感


・HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE

やはりPENTAX用レンズとしては最速級。精度の高いモーター特性やモーメントの小さいフォーカス群のおかげか、実際の動体撮影も楽。カメラ側が被写体を認識していればAF-Cでの追従も容易で、静粛性も高い。この性能でフルサイズ対応なら、さらに焦点距離が長ければ……と欲も出るが55-300PLMは価格やサイズを含めたバランスが優秀。

・smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited

意外にも両方のテストで2位となったのはボディAF式のパンケーキレンズ。実際ピントリングの回転角は小さくレンズの繰り出し量も小さいように思える。ただし動体を追従するような撮影ではAFの追い込みが1発で決まらないことが多く、強力なモーターでピントリングを回転させると金属同士の衝突音が大きい。本記事のようなテストは実用時の印象と剥離していることが窺える。

・HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AW

55-300PLMと比較すると簡易テストで2.21倍、実写テストで1.56倍の時間を要する結果に。望遠レンズはスピードの速い被写体に用いる機会の多いレンズでもあり、K-1用に設計されたレンズとはいえ現行唯一の400mm超の望遠担当なのでもうひと頑張りして欲しいところではある。野鳥撮影などでは手前の障害物を認識してAFが迷うこともあるので、最短〜無限遠の往復テストは実用時の使用感もそれなりに反映している。状況に応じてフォーカスリミッターも活用したい。

・smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

特性的に、やはりこの記事のテストでは最も遅いレンズとなってしまう。実用時は往復動作ではなく細かなピント調整となる事の方が多いのでそこまで遅くは感じないが……昆虫を撮るとき手前に草があったりするとやはりAFが迷って待たされたりはする。HD版発表時にAFアップデートを望む声が多かったが、全群繰り出しのままPLM化はできないというのが実情。