Wilier La Triestina

初めて所有した2012年モデルのアルミロードバイク。
グランツール常連のイタリアの老舗・Wilierらしくレーシーなデザイン。
紛らわしいが "Wilier Triestina" の "La Triestina" というモデル。


選んだポイント


予算

購入時の予算上限は15万程度。結局2万円ほどオーバーした。当時は入門アルミロードが9万〜、入門カーボンフレームが20万〜ぐらいの相場感で、15万円は「フレームの素材はアルミでホイールも入門用だが、多少フレーム重量や剛性も重視されていたりコンポーネントが充実していたりする」という価格帯。早い話が(学生の感覚としては)松竹梅の竹という選択肢。バイトを始めつつ何だかんだ予算は実家に出してもらったし、当時の自分にとって一番いいバイクを選んだ。

コンポーネント

一番のポイントはフルスペックの105組完成車であること。レビューを書いている2024年時点では105というグレードもおいそれと手を出せない価格になってしまったが、電動化されておらずリムブレーキしか無かった頃の105といえば「SHIMANOの一番気軽なレースグレード」という位置づけ。Claris → SORA → Tiagra が入門ロード定番のコンポーネントで、レース寄りに設計されたアルミフレームだと105組の完成車もあるといった具合だった。

コンポーネント構成でロードバイクの車種を検討するのは今でもよくある事だが、特にリムブレーキ時代は105組が謳われているからといって105フル構成とは限らなかった。変速段数や見た目で最もスペック映えするクランクや変速機だけ上位コンポーネントを採用し、目立たないブレーキ周りは下位コンポが組み込まれている事も多かった。例えばブレーキアーチの剛性が不足しているとブレーキレバーを強く握っても制動力としてリム面に伝わらなかったり、不必要に握力を消耗してしまったりする。

ブレーキ性能あってこそのレースバイクなので、駆動系からブレーキまでが105以上で構成されているというのは地味に重視したポイントだった。

デザイン

比較検討していたのはフランスメーカー、LappierのアルミロードAudacio 200 CP (11万円)、Audacio 400 CP (Tiagra組・15万円)あたり。黒地に水色の差し色が入るデザインで、WilierのLa Triestinaとは逆のカラーリング。最初強い拘りはなかったが、カタログで見たLappierのアルミロードは溶接面の処理が綺麗で製品として上等な印象を持ったので候補に入っていた。

結局Wilierになったのは購入店が販売したいメーカーだったことも一因だが、Lappier同様アルミフレームの処理も丁寧とされている事、筆記体風のロゴも好印象だった事、そして先述した通り予算の範囲でコンポーネントの要件を満たしていた事などを理由に選択した。

最近は赤黒系にそれほど前のめりでもないけど、やはり赤色が入っているとスポーツ感が増す良さがある。自転車用品も赤や黒を採用するものが多いのでコーディネート的にも困らない。

Wilierオーナーの集まりにて。ハルバードと筆記体ロゴが特徴的なメーカー。

既視感。

手前がLapierreのAUDACIO。このメーカーはトリコロールカラーもかっこいい。


レビュー


アルミのレースモデルとして満足な性能

重量や空力、振動吸収性などはカーボン素材のモデルが優位だが、入門クラスを兼ねるアルミロードの中で比較すると妥協がなくしっかりロードバイクとしての性能が追求されている。コンフォート仕様を求める人にはもっと寝かせたジオメトリの方が合うかもしれないが、個人的には剛性があり踏んだ瞬間に加速するバイクは性に合っている。

完成車重量は8.6kgぐらいだったらしい。パーツ構成はほとんどそのままだが5年目あたりでホイールを軽量化してペダル込み8.1kg程度になった。同世代のCANNONDALEの軽量アルミバイクほど軽量設計ではないが、これぐらいの重量だと輪行も気軽にできる。コンポーネントやハンドル・シートポストを交換すれば7kg台は難なく達成できるだろう。


バイクパッキングで積載ツーリングにも対応

2010年代は荷台なしでバイクに荷物を括り付ける手法、いわゆるバイクパッキングが普及した時期でもあった。購入当時はオルトリーブのサドルバッグLなどが有名だったが、次第に自転車バッグメーカー各社から大型サドルバッグやフレームバッグが展開された。

エントリーグレードでは直線パイプを採用される傾向があるトップチューブだが、La Triestinaは僅かに湾曲した形状となっている。このおかげでサイズの割に前三角が広く、ボトルに干渉ちがちなフレームバッグも選択肢が広がった。

レガシー規格になりつつある23C

現行のディスクブレーキ式のロードバイクは、ブレーキキャリパーでリムを挟み込む必要があった旧来のロードバイクに比べてリムやタイヤの幅に制約がなくなった。昔であればタイヤ幅23〜25mmが主流だったのが現在では28〜32mmは当たり前になっており、フレームのジオメトリも太めのタイヤを前提に設計されている。それは細い幅で設計されたタイヤの流通が減っていくことも意味する。

ディスクブレーキが台頭する前に主流だった25Cはまだまだ現役の規格だが、La Triestinaは20〜23Cを想定して設計されたフレームとなっている。もし23C規格で高性能ラインの製品が出なくなると、本来の性能が発揮できなくなるおそれがある。

10速105というコンポーネントもだいぶ古いが、その辺は新しめのパーツに換装すれば問題はないだろう。

振動吸収性はあまり期待できない

完全なエントリーモデルと中堅アルミフレームとの違いに、カーボンフォークを採用しているか否かという点がある。La Triestinaはカーボンフォークを採用しているモデルだが、ハンドルの軸となるコラム部分はアルミで構成されている。フルカーボンフォークがアルミバイクに採用される事自体稀に思えるが、実際このフォークは軽量化というより振動減衰のために採用されているものなのだろう。だろう、というのは、自分が所有したことがある中でこのバイクが最もリジッドな乗り心地で、アルミフォークとの違いが比較できていないためである。

おそらくハンドルへの突き上げを低減していたりと乗り心地には寄与しているだろうが、全体的に言えばこのアルミフレームは頑丈でそれほどしならず、踏んだ分の力がダイレクトに地面に伝わるロードバイク然とした乗り心地だ。このバイクで走った1日の最長距離は300km程度で、装備や自分の技術不足も否めないが手のしびれに苛まれた。おそらくトレーニングを重ねたサイクリストなら600kmでも走れるとは思う。

余談となるが、La Triestinaは元々アルミフレームではなく、カーボンバックと呼ばれる構成のフレームだった。リアホイールの突き上げを低減するために後ろ三角にカーボンパイプを採用したものがそう呼ばれ、半カーボンフレームと言うこともできる。自分が購入した時期から普通のアルミモデルとしてリニューアルされた訳だが、どちらにせよカーボンバックモデルが継続していたら予算外で選択肢には入らなかっただろう。



メインの座をグラベルロードに譲ったが、山岳ライドや飛行機遠征などいまだに出番は多い。


最長で台湾一周10日間のツーリングに対応できた。


キャリアなしでの最大積載量。寝袋系はYUENIのボトルケージアタッチメントを使用。(参考にさせて頂いたサイト)



一説によると砂利道もいける。実際のところ一瞬でサイドカットする。


カスタム

Campagnolo KHAMSHIN G3

初期ホイール(SHIMANO R500)からの換装。前後でざっと2000g前後なので、特に軽量化にはなっていない。3本が束になった特徴的なスポークパターン(G3組み)の外観が目当てでショップの中古品を購入した。走行感はR500から良くも悪くも変わらず、剛性感は多少違っていたのかもしれない。信号のストップアンドゴーで簡単に体感できる加速性能と違ってこの辺は検証が難しいところ。

駐輪場で鍵をスポークの間に通しやすい、輪行が楽というのが地味なメリット。


FULCRUM Racing Zero

言わずと知れたアルミホイールのフラッグシップモデル。リムブレーキが主流だった頃はカーボン版のレーゼロが「アガリ」のホイールとして特に人気だったが、ディスクブレーキ用になってからは乗り心地が変わったらしくレーゼロはあまり話題にならなくなった。初期ホイールのR500が1900gぐらいで、1400g少々のレーゼロに履き替えたことで0.5kgの軽量化を果たした。ホイールは回転体なので加速性能への影響も大きい。

しばしば言われる乗り心地の固さは、スポーク素材がアルミであることが一因。フレーム素材同様、アルミは鉄より素材としては柔らかいが棒材としては太く設計されるので剛性が増すことになる。きしめん状のアルミスポークはLa Triestinaの乗り心地をさらにガチガチにしているが、ロードバイクはこれぐらい固くていいという気持ちもあるので満足している。

剛性はあればあるほど良いとされている。残念ながら金属疲労でヘタレさせるほどの脚は持っていない。

スプロケット変更

リアスプロケットの最大歯数を初期仕様の25Tから28Tに変更した。
自分の脚力は重いギアで坂を登るのには向いてないのでギア比を下げるのが妥当。
コンパクトクランク(50-34T)との組み合わせで最小ギア比が1.2程度になった。